Infoseek 楽天

ボクシング性別騒動が飛び火…「標的」になったIOC職員が告訴状提出…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月9日 9時45分

 パリ五輪に出場しているボクシング女子選手の性別騒動が、思わぬところにまで飛び火した。米NBCテレビの公式サイトは日本時間9日、国際オリンピック委員会(IOC)の安全部門責任者が、オンラインで悪意のあるメッセージを受け取ったとして告訴状を提出したと報じた。取材に対しパリ当局は4日に告訴状が提出されたことを認め、「安全部門責任者カースティ・バローズ氏は、業務の一環としてイマネ・ヘリフを弁護する記者会見を行った後、標的にされた」と説明してるという。

 ヘリフ(アルジェリア)は国際ボクシング協会(IBA)管轄下で行われた昨年の世界選手権で、性別適格検査に不合格とされた。2回戦の開始46秒で相手選手が棄権し、同じく不合格とされながら五輪には出場している林郁婷(台湾)とともに性別をめぐり世界的騒動に発展した。

 IOCのバッハ会長は3日の記者会見で「2人が女子であることに疑いの余地が生まれたことは、過去にも決してなかった」と断言。IOC側は問題の根本はIBAが設けた基準にあるとし「2人は恣意(しい)的な決定の犠牲者」と擁護した。IOCは組織運営の問題などでIBAへの統括団体承認を取り消しており、団体間の対立も問題を複雑にしている。

 騒動の渦中にいる2人は、対戦相手が試合後のリングで抗議の行動を取るなどしているが、ともに決勝へ進出。ヘリフは現地時間9日夜、林は同10日夜に決勝を戦う。

この記事の関連ニュース