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【甲子園】金足農2年生エース・吉田大輝は土は持ち帰らず「絶対来年、ここに戻ってくる」…兄の輝星も観戦

スポーツ報知 2024年8月9日 14時37分

◆第106回全国高校野球選手権大会第3日 ▽1回戦 金足農4―6西日本短大付(9日・甲子園)

 6年ぶりの出場となった金足農は初戦敗退となった。オリックスの吉田輝星投手を兄に持つ2年生エース右腕・吉田大輝(たいき)投手は、154球を投げ、7回9安打5失点。自己最速タイの146キロもマークしたが、甲子園デビュー戦で敗れ、「初回から自分のふがいないピッチングで点を取られてしまって、3年生に申し訳ないです。兄と同じ舞台に立てたことはうれしいけど、今日試合をしてみて、自分はまだこの甲子園にふさわしくないピッチャーというのがわかった」と、悔し涙で目を真っ赤にした。

 初の聖地は、立ち上がりから苦しんだ。初回は無死一塁から暴投で一気に三塁へ。直後にタイムリーを浴び、いきなり先制点を献上した。5回はヒットと2個の四球で無死満塁のピンチを招くと、一挙4点を失った。「やっぱ自分がマウンドをずっと守り続けたかった。ボールの調子自体はそんな悪いわけではなかったけど、コントロールが浮いたりとか、自分のテンポの悪さが出てしまったので、そこは反省だった」と、唇をかんだ。

 それでも打線は6点ビハインドの最終回に猛攻で4点を奪い返した。地鳴りのような応援が球場全体から響いた。降板後でベンチから祈るように見守っていた吉田は「『Gフレア』が流れた瞬間に球場の皆さんが拍手してくれて、金足農業がここまで応援されてると思ってなかったので、うれしかったですし、感動して涙が出てきました。3年生の先輩方は『お前を負け投手にしないからな』と、声をかけてくれて、先輩の意地というか、すごい感動させられました。仲間が必死の思いでつないでくれて、もしかしたら、ひっくり返せるんじゃないかと思った」と、振り返った。

 兄・輝星がバックネット裏スタンドから見守っていたことは知らなかった。「行けたら行く」と言われていたという吉田は、「来てくれてると信じて投げてたんですけど、(高校で野球する姿は)初めて見てもらったと思うんですけど、ふがいないピッチングを見せてしまったので、恥ずかしい思いがあります」と、声を落とした。

 2年生エースとして奮闘した夏が終わった。試合後、甲子園の土を持ち帰らなかったのは決意の表れだった。「絶対勝たなきゃいけなかったけど、自分のせいで負けてしまった。絶対来年、パワーアップしてここに戻ってくるっていう気持ちで、土は持ち帰らなかったです。最後まで投げ切れなかったのが悔しいし、これからは絶対マウンドは誰にも譲らない気持ちでやりたい」と、リベンジを誓った。

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