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ブレイキン金メダル候補「半井はブレイキンもすごいし頭もいい」  高校恩師が語るSHIGEKIX

スポーツ報知 2024年8月10日 12時0分

 パリ五輪で採用された新種目・ブレイキン男子は10日(決勝は日本時間11日)に行われる。金メダル候補の半井(なからい)重幸(22、ダンサー名・SHIGEKIX)=第一生命保険=に大阪学芸高時代、国語を教えた丸山貴也教諭(29)は新卒1年目で半井に出会った。「大人が高校生をしに来ている」というほど、落ち着いたオーラを放っていた半井の魅力と競技への熱い思いを明かした。

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 高校生の半井にオーラを感じた。丸山さんが新任の教諭となった春。高2だった半井の国語の授業を受け持った。「16歳ですが『大人が高校生しに来ている』っていう感じ。しゃべり方や話すことも、大人だなって」。クラスは課外活動を行う生徒が通う、特技コース。「半井が何の活動をしているのかって調べたら、『えぐいやつやんけ』って思いました。既に世界一を目指してやっていた」

 ワールドクラスのダンサーは、全てに全力を注ぐ。もちろん勉強も例外ではない。「あんまり学校に来られていないのに、テストの点数が良いんです。国語では読解力がありました」と丸山さん。「『彼はブレイキンもすごいし、頭も良い』と全ての先生が言ってた。人としてプライドを持っていて、競技だけ良ければ良いっていう感覚がなかったです」。派手な印象もあるが「180度思っていることと違う感じでした」とイメージを変えた。

 年も近くて仲が良く、放課後の教室で語り合うこともあった。「『0を1にする喜び』とよく言っていました。僕もそこに楽しさを見いだしますし、彼もそれがモットー。『何かこいつ、好きだな』って」と懐かしそうに振り返る。自分自身と向き合い、周りに流されない半井から刺激も受けていた。

 3学期のスタート時、一年の抱負には「世界戦で成績を残す」と堂々と書いていたことを思い出す。「プレッシャーは出場する選手の中で一番あると思いますが、どんなダンスをするかめちゃくちゃ楽しみです」。世界が驚くパフォーマンスを丸山さんも期待している。(手島 莉子)

 ◆半井 重幸(なからい・しげゆき)2002年3月11日、大阪・大阪狭山市生まれ。22歳。ダンサー名「SHIGEKIX」。7歳の時に姉で同じくダンサーの彩弥(ダンサー名・AYANE)の影響でダンスを始める。2014年世界選手権のU12部門で優勝。17年に世界最高峰の「BC One」に最年少で出場した。18年5月に世界ユースブレイキン選手権で優勝し、同年ユース五輪の出場権を獲得。銅メダルを獲得した。全日本選手権は20、22、23年で3連覇。世界選手権は22年準優勝、23年3位。166センチ。

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