◆パリ五輪第15日 ▽卓球 団体戦(9日、パリ南アリーナ)
卓球男子団体は3位決定戦で日本がフランスに2―3で競り負け、3大会連続のメダル獲得はならなかった。
ベンチで地元フランスチームの歓喜の輪をエースの張本智和(21)=智和企画=は見つめた。田勢邦史監督(42)と抱き合うと込み上げた。
「1枚もメダルを取れなかったのは本当に悔しい。自分の弱さも感じた」
激闘の準決勝で逆転負けを喫したショックから中1日。再び3時間超の戦いの末に屈した。22歳の戸上隼輔(井村屋グループ)、20歳の篠塚大登(愛知工大)との挑戦は幕を閉じた。張本智は「準決勝が終わった時点では最悪の大会だなと思ったが、今日は勝てなかったけどすごくいい大会だったと思う」と受け止めた。
3位決定戦に気持ちを切り替えるため、前日(8日)は選手村のリビングで戸上、篠塚と向き合い「残されたのは銅メダルしかない」と決起した。フランス戦は第2試合で男子シングルス銅のF・ルブランと対戦し、2―2の最終Gのマッチポイントから逆転負け。第4試合は勝ってエースの責務を果たしたが、つないだ篠塚が敗れ、2度目の五輪は終戦となった。
18歳で初出場した21年東京五輪は団体で銅メダルを獲得。第一人者の水谷隼が引退した後のパリで日の丸を託された。戸上、篠塚と奮闘し「メダルという形にはならなかったけど、チームをすごく誇りに思う」。28年ロサンゼルス五輪にも視線を向け「4年後に今日以上に悔しい思いをする覚悟を持ってチームメートと歩んでいきたい」と再出発を誓った。
試合は終わったが、まだ妹・美和(16)の女子団体決勝(10日)が残っている。「きょうだいメダルを達成できなくて悔しい。(パリでの)金メダルの夢は託して。観客として応援する」と話した。(宮下 京香)