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「ネタを作る才能がある」AYUMIのチームメートが明かす“お掃除スタイル”の秘密…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月10日 9時0分

◆パリ五輪 第15日 ▽ブレイキン女子(9日、コンコルド広場)

 ダンスチーム「BODY CARNIVAL」に所属する、ブレイキン女子でパリ五輪8強の福島あゆみ(41、ダンサー名・AYUMI)。チームメイトで15年以上の中であるBボーイの桑原かずき(36、KAZUKI ROCK)が、初対面の印象や共に講師を務めるスクールでの福島の姿を語った。(取材、構成=手島 莉子)

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 ダンサーには一人一人違った個性がある。桑原さんは「僕は柔らかい。動きが大きくて柔軟性をすごい使っています。あゆみさんは動きが細かくて、コミカルですね」と説明する。福島には日常生活の動きからインスピレーションを受けた振り付けが多く、その代名詞が“お掃除スタイル”。今年3連覇した日本選手権では、拭き掃除する姿から着想を得た「ぞうきん」などユニークな技を披露し、他選手を圧倒した。

 創造性には圧倒される。桑原さんは「あゆみさんはすごくネタを作る才能がある。他のダンサーさんの動画を見て情報をインプットし、自分らしく変える。その能力が他の人たちよりある気がします」。練習中、メンバーからベースの動きをもらうと、自身の練習スペースに持って帰って反復練習。完成した動きを福島が披露すると「そういう発想があったんだ」とアッという間に新しい技が生まれている。

 育成にも力を入れる。「次世代を育てていかないといけないんじゃないか」とメンバーで話し会い、2019年から始動したスクールには現在約30人の生徒が在籍。桑原さん、福島を含めた4人がローテーションで講師を務めており、福島は得意とするフットワーク(地面に手をついて足を動かす)担当。「レッスン前に絶対に教える内容を復習しているところを、よく見ます」と桑原さん。子どもたちと真摯(しんし)に向き合い、ダンスの楽しさを教えている。

 今年3月に行われたブレイキンの世界大会「Undisputed Masters」では、「BODY CARNIVAL」のダンサーたちが披露したバトルに、スクールの女の子が号泣した。「先生達の踊りに感動して泣いてしまった。いつか私もBODY CARNIVALに入りたい」。福島らが、思いを込めてダンスの魅力を教え続けた結果だ。「それを目的にやっていたので、本当にうれしかった」と桑原さんはほほえんだ。

 パリ五輪で福島に期待したのは「一生懸命、自分の実力を全部出して、すがすがしい姿」だ。「ずっと真摯にブレイキンと向き合って頑張ってきている」という福島のパリでの躍動は、多くの人の心に刺さった。

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