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あと「1点」張本智和「悔しい」3種目出場もメダルに届かず2度目の五輪終わる…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月10日 8時21分

◆パリ五輪 第15日 ▽卓球(9日、パリ南アリーナ)

 男子団体で3位決定戦が行われ、世界ランキング4位の日本は同3位の地元フランスに2―3で敗れて4位だった。16年リオデジャネイロ五輪銀から3大会連続のメダルには届かなかった。

 張本智は最後の種目の団体戦を4位で終えた。初戦敗退した混合複、準々決勝で中国の樊振東(はん・しんとう)とのフルゲーム死闘の末に敗れたシングルスを含めて、3種目で目標のメダルに手が届かなかった。「今が一番すっきりしている」とチームメートの戸上隼輔(井村屋グループ)、篠塚大登(愛知工大)の奮闘に心を動かされたが、やっぱり悔しさは胸にある。

 「今後、他競技の取材を見るたびに、絶対悔しい思いはわいていくので。たくさんの方がメダリストになって、僕は取れなかった。今大会で1枚もメダル取れなかったのは悔しい。メダルの価値を再認識させられました」

 団体戦は五輪開幕前に第4シードに入り、メダルへの機運は高まっていた。前回の東京大会銅を上回る決勝進出が一つの目標だった。7日の準決勝で、今大会で勢いに乗ったスウェーデンに2―3で逆転負け。失意に陥った。この日の3位決定戦に向けても「今でもまだ切り替えられてはない。あのときに戻れるなら戻りたい」と、完全に気持ちを前に向かせることは難しかった。

 迎えたアウェーのフランス戦。第1試合のダブルスから相手の勢いにのまれた。0―1で迎えた第2試合は両者共にエースとして勢いをもたらしたい局面。ゲームカウント2―2の最終ゲームは、先にマッチポイントを握ったが、そこから「1点」を取りきれず、10―7から5連続失点で17歳の銅メダリスト、F・ルブランに及ばなかった。

 「内容うんぬんはありますけど、またこういう負け方をしてしまったかな。またまたこれか…って。1点差、2点差、あと少しに見えるかもしれないし、あとたくさんあるかもしれない」

 世界ランキング1位の王楚欽(おう・そきん、中国)を倒したトルルス・モレゴール(スウェーデン)、樊を追い詰めた張本智。シングルスでのランキング上位勢は、最強・中国に食らいつき、誰が上回ってもおかしくない勢力図。その分、1点が大舞台で勝負を分ける。

 「戦術、メンタル、体、どこかわからないけど、次は勝ちきる選手に。僕たちができるのは、頑張り続けることしかない」

 五輪の悔しさをぶつけるのは五輪の舞台。張本智、戸上、篠塚らと共に3年間を戦ってきた田勢邦史監督は「このままでは終わりたくない」と目を赤くして言った。パリには17歳の松島輝空も補欠で同行し、チームで共に悔しさをかみしめた。4年後のロサンゼルス五輪が、この悔しさを晴らす舞台だ。

 張本智は「4年後、今日以上に打ちのめされる可能性はありますけど、4年後、今日以上に悔しい思いをする覚悟を持っていく」

 決意したエースは、再び大海原に出る。

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