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「敵や攻撃が、この栄光を特別にした」性別騒動渦中のボクシング選手、金メダル獲得で持論展開…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月10日 10時7分

◆パリ五輪 第15日 ▽ボクシング(9日、ローランギャロス)

 ボクシング女子66キロ級決勝が行われ、性別騒動の渦中にあるイマネ・ヘリフ(アルジェリア)が楊柳(中国)を5―0の判定で下した。獲得した金メダルにキスしたヘリフは「女性として生まれ育ち、競技をしている。疑いの余地はない。私の成功を望まない敵や攻撃が、この栄光を特別なものにした」と強調した。勝利後はトレーナーに肩車され国旗を誇らしげに掲げた。

 ヘリフは国際ボクシング協会(IBA)管轄下で行われた昨年の世界選手権で、性別適格検査に不合格とされた。大会前から出場を疑問視する声が上がる中、1日の2回戦で相手選手がわずか46秒で棄権したことで、国際的な議論に発展した。

 ネットでは誹謗(ひぼう)中傷が飛び交い、リングでは対戦相手が抗議の意を示すジェスチャーをするなど逆風が吹き荒れた。「ネット上での攻撃はひどかった。いじめはやめてほしい。将来、同じようなことが起きないように願っている」と訴えた。不満はIBAにも向けられた。クレムレフ会長自ら「男性」と断定した発言をしたことに対し、「理由は分からないが、彼らは私のことが嫌い。自分の尊厳、名誉は全てに勝る」と反論してみせた。

 IBAは組織運営などを問題視され、国際オリンピック委員会(IOC)が統括団体としての承認を取り消した。パリ五輪はIOC管轄下で行われている。IOCはヘリフと、同じく同選手権の検査で合格せず、五輪で57キロ級決勝に進出している林郁婷(台湾)について、パスポート上の性別に基づき「問題ない」と主張。バッハ会長も「2人が女子であることに疑いの余地が生まれたことは、過去にも決してなかった」と擁護している。

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