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キプチョゲが初の五輪マラソン3連覇を目指す 東京五輪6位の大迫傑はメダル獲得なるか 男子マラソン間もなくスタート

スポーツ報知 2024年8月10日 14時28分

◆パリ五輪 第16日 ▽陸上 男子マラソン(10日、パリ市庁舎前スタート、ベルサイユ宮殿折り返し、アンバリッド(廃兵院)前ゴール=42・195キロ)

 五輪の「花形種目」のひとつの男子マラソンは現地時間10日午前8時(日本時間10日午後3時)にスタートする。

 ケニアのエリウド・キプチョゲ(39)は、2016年リオ五輪、2021年東京五輪に続き、五輪マラソン初の3連覇を目指す。キプチョゲは2018年のベルリンで2時間1分39秒の世界記録(当時)をマーク。2019年には非公認記録ながら1時間59分40秒で走破し、人類史上初めて2時間の壁を破った。2022年のベルリンでは世界記録(当時)を2時間1分9秒まで縮めた。まさに走り続けるレジェンドだ。ただ、今年3月の東京では2時間6分50秒で10位に終わった。パリで本来の強さを見せられるか、それとも、キプチョゲ時代が終わるのか。パリ五輪の大きな見所のひとつとなる。

 世界歴代3位の2時間1分41秒の自己ベスト記録を持つエチオピアのケネニサ・ベケレは42歳になった今もトップレベルの力を保持する。今年4月のロンドンでは2時間4分15秒の好記録で2位となった。2004年アテネ五輪では1万メートルで金メダル、2008年北京五輪では5000メートルと1万メートルで金メダル。エチオピアの英雄はマラソンで初の五輪メダルを目指す。

 大ベテランが活躍する一方で、2023年のシカゴで2時間0分35秒の世界記録をマークしたケニアのケルヴィン・キプタムさんが今年の2月に24歳の若さで交通事故で亡くなったことは残念だ。

 日本勢は、小山直城(28)=ホンダ=、赤崎暁(26)=九電工=、大迫傑(33)=ナイキ=の3人が出場。1992年バルセロナ五輪銀メダルの森下広一以来、32年ぶりの男子マラソンのメダル獲得を目指す。

 小山と赤崎は五輪初出場。大迫は2016年リオ五輪5000メートル(予選敗退)と1万メートル(17位)、21年東京五輪マラソン(6位入賞)に続いて3大会連続出場となる。

 大迫は8日にオンラインで取材に応じ「非常に順調にトレーニングできています。問題ない」コメント。目標については「秘密で、お願いします」と意味深に話した。長野・佐久長聖高、早大時代から活躍する日本長距離のカリスマがメダル獲得なるか、注目される。

 コースは五輪史上最も困難とも言われる。アップダウンの激しいタフな42・195キロ。パリ市庁舎前を出発し、ベルサイユ宮殿で折り返し、ナポレオンが眠るアンバリッドでゴールする。コース沿道はオペラ座、ルーブル美術館、コンコルド広場、トロカデロ、エッフェル塔など名所がそろう。最高地点は20・3キロ地点の183メートルで、最大上り勾配は13・5%、最大下り勾配は13・4%。箱根駅伝の上り区間の5区と下り区間の6区とほぼ同等だ。

 スタートからゴールまでの累積高低差は438メートル。日本陸連の瀬古利彦ロードランニングコミッションリーダー(68)は「世界記録のハイペースにならないので、日本人選手にとっては良いコース。スタミナ勝負になるし、我慢比べなら日本人の方が強い」と期待を込めて分析している。強力なケニア勢やエチオピア勢に対抗して、終盤まで先頭集団に食らいつくことがメダル獲得の条件となる。

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