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樋口黎 妻に贈る金メダル 試合前も「家ではぴりついた雰囲気ない」…競技に干渉しないスタイルに感謝

スポーツ報知 2024年8月10日 22時14分

◆パリ五輪 第15日 ▽レスリング(9日、シャンドマルス・アリーナ)

 9日の男子フリースタイル57キロ級で樋口黎(れい、28)=ミキハウス=が頂点に立った。決勝でスペンサーリチャード・リー(米国)を4―2で下した。2大会ぶりに出場した五輪で、銀メダルだった16年リオ大会の雪辱を果たし、男子フリーでは1988年ソウル五輪48キロ級の小林孝至以来、36年ぶりの最軽量級制覇。日本勢の夏冬通算200個目の金メダルにもなった。

 観客席で樋口を見守った妻・優貴さん(29)は表彰式後、夫から金メダルをかけられた。「自分の夢を有言実行して尊敬の思い。これのために頑張ってきたんだなと思うと、勝手に私が泣いてしまった」と感極まった。

 23年5月に結婚した。元レスリング選手だが、自宅では競技の話はほとんどしない。減量期は樋口が料理を担当。「全て自己管理でやっているので今何キロとかも全然知らない状態。私のサポートとかは一切ない」と語るが、取り除かれた鶏皮や肉の脂身を黙って引き受ける。樋口の減量が始まると「私ががっつり太っていくような食生活。鶏皮の調理はうまくなりました」と笑った。カップ麺は自宅の前のコンビニで見えないように食べるようにもしていた。

 競技や減量に干渉しないスタイルに、樋口も居心地の良さと感謝を口にする。優貴さんも「試合前もぴりついた雰囲気を家の中で感じることはない」という。息抜きのゲームも「ある程度は好きにやってもらうようにしている」。今年2月には長女・凪(なぎ)ちゃんも誕生。五輪後は行けなかった新婚旅行を計画している。(林 直史)

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