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女子レスリング・桜井つぐみ 金メダルの原点は父の一喝 「そんな練習するなら、俺はいらんぞ」

スポーツ報知 2024年8月10日 22時13分

◆パリ五輪 第15日 ▽レスリング(9日、シャンドマルス・アリーナ)

 9日の女子57キロ級で初出場の桜井つぐみ(22)=育英大助手=が金メダルに輝いた。決勝でアナスタシア・ニキタ(モルドバ)を6―0で下し、五輪4連覇の伊調馨、2連覇の川井(現姓・金城)梨紗子が築いてきた栄光の中量級の歴史をつないだ。高知勢では92年ぶり、女子初の金メダリスト。レスリング日本勢の金メダルは4日連続の5個目で、過去最多だった21年東京五輪に並んだ。

 桜井の両親も会場で歓喜に浸った。幼少期から高校まで指導した父・優史さん(48)は「いつも通りのつぐみらしく粘り強く戦ってくれた。つぐみと私の夢を実現してくれて本当に感謝したい」と感無量の表情だった。

 桜井の競技に対する姿勢が一段階、変わったのは中学2年の秋だった。父は気のない練習を見て「そんな練習するんやったら、俺はいらんぞ」と即座に帰宅。練習場に行くのを控えた。3日後、主将から「先生来て下さい。つぐみは変わりました」と連絡を受けて見に行くと、目の色を変えて練習していた。外部から指導者が来れば積極的に助言を求めるようになり「自立した」と感じた。

 大学進学で上京する際、娘から渡された手紙には「夢であるオリンピックに出られるように大学でしっかり頑張ります」と記されていた。その言葉通りに努力を続け、誓いを果たした。(林 直史)

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