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梶原悠未のポジティブ変換「必ず、結果につながる」2大会連続メダルへ…母・有里さん見守る

スポーツ報知 2024年8月11日 12時0分

 パリ五輪大会最終日の11日、自転車競技のトラック種目女子オムニアムが行われる。2021年東京五輪で自転車競技の日本女子初となる銀メダルを獲得した梶原悠未(ゆうみ、27)=TEAM Yumi=は、東京大会後には欧州への武者修行も経験。母・有里さん(52)が日本女子初の金メダルへ、エールを送った。

 あと一歩、表彰台のてっぺんに届かなかった前回東京五輪から3年。二人三脚で歩んできた梶原の母・有里さんも、銀メダルを手にした日の記憶は鮮明に残っている。

 「悠未を応援してくれた人に金メダルで恩返ししたいと言ったので、悔しい思いは同じ。その一方で拠点の伊豆や地元(埼玉・和光市)など行くところで、応援してくれた方々が銀メダルを喜んでくれた。悠未はすごいことを成し遂げたんだと思いました」

 パリ五輪での進化を求めて、東京五輪後の22年2月、スイスが拠点のワールドサイクリングセンターのロードチームに日本女子では初めて加入。自転車競技の本場の欧州でロードレースに参加し、課題の持久力の強化を図った。家族と離れ、約半年間の単身武者修行。毎日電話をして支えた母は娘との会話から変化を感じ取っていた。

 「『日本人はとりあえず謝るけど、海外では謝る概念がない』と日本人とは違う価値観に気づいたと言っていた。世界と戦う考え方も柔軟になり人間性も成長したと思います」

 パリ五輪への選考レースが始まり、ギアを上げていた昨年2月にアクシデントに襲われた。レース中に落車し左膝のじん帯を損傷するなど重傷を負った。五輪出場につながるポイント取りも始まった中で、焦りも募ったが、母は「クヨクヨしても仕方がない。ここから何を学び、どうしていくか。けがは必ず治る」と励ました。その後もレース中の負傷は続いたが、梶原の心は想像以上に強くなっていた。金メダルを狙う2大会連続の五輪切符をつかんだ。

 有里さんもトラック種目が始まる直前の5日にフランス入り。五輪最終日の本命種目での戦いを楽しみにしてきた。「過酷なことも多くあった、3年間だったと思います。日々、ポジティブな気持ちに変換している姿を見てきた。この強みは必ず、結果につながると信じています」と、母は会場で娘の雄姿を見守る。(宮下 京香)

 ◆梶原 悠未(かじはら・ゆうみ)1997年4月10日、埼玉・和光市生まれ。27歳。筑波大坂戸高、筑波大を卒業、同大大学院を修了。1歳から中学3年まで競泳選手。高校1年で競技を始め、2015年アジアジュニア選手権で5冠。17年W杯オムニアムで日本勢初優勝。20年世界選手権同種目で日本女子初の金メダル。21年東京五輪同種目で日本女子初の銀メダル。憧れは競泳の北島康介氏。155センチ。

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