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レスリング元木咲良、金メダルに号泣「このチャンスは逃したら2度とこない」気持ちでつかんだ頂点…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月11日 4時40分

◆パリ五輪 第16日 ▽レスリング(10日、シャンドマルス・アリーナ)

 女子62キロ級の元木咲良(育英大助手)が金メダルに輝いた。決勝で東京五輪銅メダルのイリナ・コリアデンコ(ウクライナ)をテクニカルスペルオリティーで下した。親子2代で五輪のマットに立ち、同じ育英大出身の女子57キロ級・桜井つぐみ(育英大助手)に続いて金メダルをつかんだ。

 第1ピリオドで1点を先行されたが、一気に4点を奪い逆転。さらに加点して主導権を握ると最後はテクニカルスペルオリティー勝ちで圧勝した。試合後は祝福を受けると人目をはばからず涙を流した。「このチャンスは逃したら2度と来ないと思った。たくさんの人に感謝したいです」と話した。

 3歳で和光クラブでレスリングを始めた。父・康年さんは2000年シドニー五輪グレコローマン63キロ級代表。20歳で競技を始めながら、五輪の舞台に立った姿を尊敬していた。「レスリングに出会えたのは父のおかげ。感謝の気持ちを表現できたら」との思いで今大会を迎えた。

 9日の準決勝では奇跡を起こした。ブレン(ノルウェー)と対戦。2―7と劣勢の終盤。「世界一になるために来たのにここで負けたらどうしよう。取りにいっても全部はね返されてしまって、本当にどうしようって怖くかった」と敗戦を覚悟していた。相手の攻撃をブリッジで耐えようとしたところ、豪快なそり投げの形にはまった。

 気付けば相手を放り投げていた。そこから抑え込んでフォール勝ち。そり投げは試合ではもちろん、練習もしていなかった技だ。「神様が助けてくれたんだなと思った」と涙を流し、決勝へ「神様は2回も助けてくれないと思う。自分の実力を発揮して臨みたい」と誓っていた。度重なるけがを乗り越え、金メダルをつかんだ。

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