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平野美宇「次の4年間は卓球だけでなくいろいろなことを勉強したい」2大会銀メダルに貢献「人間的にも成長できた」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月11日 3時22分

◆パリ五輪第16日 ▽卓球 団体戦(10日、パリ南アリーナ)

 女子団体で日本は2大会連続の銀メダルを獲得した。3大会連続の表彰台が確定した決勝で、中国に0―3で敗れ、またしても金メダルの夢は破れた。中国は全5連覇を達成。第1試合のダブルスは今大会で初の早田ひな(日本生命)、張本美和(木下グループ)組で臨んだが2―3で惜敗。エース起用の平野美宇(木下グループ)が、世界ランク1位の孫穎莎(そん・えいさ)に0―3で敗れ、美和が王曼昱(おう・ばくいく)に1―3で敗れた。

 平野は2大会連続で銀メダルとなった。3年前とは違う、すっきりした表情で終えた。「結果的には同じ銀メダルなんですけど、前回は初出場で先輩方に引っ張っていただいた五輪。今回は早田選手と最年長だったので、不安だったけど、しっかり前回の結果をつなぐことができてホッとしています」と振り返った。

 16年リオデジャネイロ五輪は代表権に届かず、リザーブで同行した。21年東京五輪ではシングルス代表権を逃したが、団体要員で出場し、銀メダルに貢献した。

 パリでは念願のシングルスに出場。懸ける五輪へ、ピークを合わせて乗り込んだ。準々決勝で韓国のエース・申裕斌(シン・ユビン)に0―3から追いつき、脅威の粘りを見せたが、フルゲームの死闘の末に敗れた。団体は左腕を負傷した早田ひな(日本生命)の状態もかんがみて、準決勝まで単複2試合で貢献。中国との決勝はエース位置を任され、世界ランク1位の孫穎莎には0―3で及ばなかったが、最後まで力を振り絞った。「前回は苦しいこともあってやっと立てた五輪の舞台だった。前回五輪に出てシングルスに出場したいと思って、何とかギリギリのところで自分でつかみ取った切符だった。シングルスで戦えたこと、選考レースが印象に残っている。緊張はしたけど、立てているだけでも幸せだと思った」と夢の時間をかみ締めた。

 東京までは苦しい5年間。パリまでは「視野も広がりましたし、いい意味で余裕ができてたくさんのことを吸収できて、人間的にも成長できた3年間だった」。

 今後の五輪挑戦については「1回休んで、今後どうしたいか決めたい」と話した。3歳で始め、人生が卓球そのものというぐらい必死で毎日球を打ってきた。「この次の4年間は卓球だけじゃなくて、その後でも通用するような人間に成長したい。下の世代だったりにつなげていくことが大事だと思うので。卓球だけじゃなくていろんなことを勉強したいです」と話した。

 卓球で強くなりたい思いは変わらない。「プレーとしては私は苦しかったり、つらいこともあった。性格も真っすぐになってしまうので、そこで自分を狭めていた。いろんな勉強をして卓球を楽しんでいろんなことを試合中にできるようになりたい。そういう心構えでやったら、もっと強いんじゃないかな」。2024年は「雲外蒼天」との4文字を書き初めに記した。テーマになった。目標のパリを戦い終えて「雲外蒼天の空だな。でも自分一人の力では来られなかった。たくさんの方に感謝を伝えたい」。24歳の平野はパリでは悔いなく、やりきった。

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