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北口榛花は「先制」で金メダル!北口の前の日本記録保持者・海老原有希さんは「70M投げるイメージができている」と期待…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月11日 10時0分

◆パリ五輪 第16日 ▽陸上(10日、フランス競技場)

 女子やり投げ決勝で北口榛花(26)=JAL=が1投目で今季自己最高の65メートル80をマークし、日本女子トラック&フィールド種目で初となる五輪金メダルを獲得した。上田百寧(25)=ゼンリン=は61メートル64で10位だった。12年ロンドン、16年リオ五輪の女子やり投げ日本代表で、北口が更新するまでの日本記録(63メートル80)保持者だった海老原有希さん(38)は、6投目に強いスロースターターだった北口が「先制力」も身につけたことを勝因に挙げ、高く評価した。「北口選手は70メートルを投げるイメージができているのでしょう。この先、可能性は十分にあると思います」と期待を込めて話した。

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 いきなり1投目で65メートルを超えた。北口選手の勝因は、この事実に尽きます。メダルを争うライバルたちは想像していなかったと思います。1投目で北口さんが試合の流れを引き寄せ、勝ち切りました。

 やり投げは「先制」「中押し」「だめ押し」が大事です。これまで、北口さんは6投目で逆転勝ちが多いという強さがある一方で、1投目は60メートル前後の記録を出すことも多くありました。でも、今回のパリ五輪では予選でも1投目で予選通過ラインを超える62メートル58を投げるなど「先制」の強さを見せました。

 決勝でも1投目に集中し、1投目としての自己最高記録を出しました。パリ五輪では金メダルを獲得したことに加え、さらに上のレベルに上がったと思います。

 私は北口選手がやり投げを始めた頃から彼女を見ていました。高校1年生だった北口選手を見て「面白い子がいる」と思いました。日本選手権などで一緒に戦うようになって「いつかは世界で勝負する選手になるんだろうな」と思っていました。でも、五輪で金メダルを取ることまでは想像できませんでした。北口選手の潜在能力と成長は、私の想像を超えていました。

 インタビューで「夢では70メートルを投げていました」と答えていましたが、五輪前に北口選手と会話した時「70メートル」という数字が具体的に出ていました。どうすれば70メートルを投げられるか、明確にイメージができているのでしょう。

 現在、北口選手が持つ日本記録は67メートル38。この先、70メートルを投げる可能性は十分にあると思います。

 ただ、記録を出すことに固執しすぎてしまい、ここまで身につけた投げの形を大きく崩していってしまうことには気をつけてほしい。

 五輪初出場で10位になった上田選手は大舞台でシーズンベストを出したことが素晴らしいです。助走はスピードに乗っており、腕は触れていました。

 決勝に進出できる選手は12人しかいない中、日本人が2人もいることは心強い。これからもやり投げの選手を応援し続けていきたいと思います。(女子やり投げ前日本記録保持者)

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