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性別騒動渦中の金メダル女子ボクサーが告訴状提出「世界中の人の意識を変えたい」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月11日 9時48分

 ボクシング女子66キロ級で金メダルを獲得したイマネ・ヘリフ(アルジェリア)が10日、性別騒動を巡るネット上での誹謗(ひぼう)中傷について、パリ検察庁に告訴状を提出したことが分かった。ロイター通信が報じた。

 代理人弁護士は「ヘリフは正義、尊厳、名誉を賭けた新たな戦いを率いることを決意した。9日にサイバーハラスメント行為で告訴状を提出した」と公表。ヘリフ本人は「私に関してSNSで言われていること全て不道徳だ。世界中の人の意識を変えたい」と話しているという。

 ヘリフは国際ボクシング協会(IBA)管轄下で行われた昨年の世界選手権で、性別適格検査に不合格とされた。大会前から出場を疑問視する声が上がる中、1日の2回戦で相手選手がわずか46秒で棄権したことで、国際的な議論に発展。ネットでは誹謗中傷が飛び交った。

 決勝後の会見でヘリフは「女性として生まれ育ち、競技をしている。疑いの余地はない。私の成功を望まない敵や攻撃が、この栄光を特別なものにした」と話し、「ネット上での攻撃はひどかった。いじめはやめてほしい。将来、同じようなことが起きないように願っている」とも訴えていた。

 またクレムレフ会長自らヘリフを「男性」と断定したIBAにも「理由は分からないが、彼らは私のことが嫌い。自分の尊厳、名誉は全てに勝る」と反論した。

 IBAは組織運営などを問題視され、国際オリンピック委員会(IOC)が統括団体としての承認を取り消した。パリ五輪はIOC管轄下で行われている。IOCはヘリフと、同じく同選手権の検査で合格せず、五輪で57キロ級で金メダルを獲得した林郁婷(台湾)について、パスポート上の性別に基づき「問題ない」と主張。バッハ会長も「2人が女子であることに疑いの余地が生まれたことは、過去にも決してなかった」と擁護している。

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