◆第106回全国高校野球選手権大会第5日 ▽1回戦 早実8―4鳴門渦潮(11日・甲子園)
野口智哉(オリックス)を擁した17年以来の甲子園出場となった鳴門渦潮(徳島)は、早実(西東京)に競り負けた。現校名で初となる「聖地1勝」は持ち越しとなった。
エース・岡田力樹(りゅうき、3年)が「4番・投手」で先発し、185球の粘投。最後までマウンドを守り抜いたが、8失点で無念の敗戦投手となった。試合後は「最初からずっと、最後まで1人で投げるつもりでいた。初戦突破できず、悔しい」と落胆。それでも、打っては2安打2打点の活躍。投打にわたり存在感を見せた。
アルプススタンドで観戦した父・真樹(まさき)さんは、息子の性格について「負けん気が強いって感じではない」と分析する。それでも、ひとたびマウンドに上がれば、強気に投球。この日も早実の強力打線を相手に一歩も引かなかった。そんな姿に「野球になったら、気持ちを切り替えるのかな」「僕もちょっと、我が子ながら謎」と振り返った。
息子が聖地で全力プレーする姿に「とりあえず、夢みたい」と感慨深げ。そのうえで「性格がよく分からない。それでいて、4番ピッチャー。ほんまに漫画みたいなやつ」と、誇らしげだった。
岡田は、大学に進学して野球を続ける予定だ。「できれば、ピッチャーとバッターどっちもで挑戦したい」と背番号1。次のステージでも、二刀流として漫画の主人公のような輝きを放つ。