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清岡幸大郎が金メダル獲得「簡単な相手ではなかった」亡き父に吉報届ける レスリング日本勢の金は7個目 1大会での最多記録伸ばす…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月11日 19時28分

◆パリ五輪 最終日 ▽レスリング(11日、シャンドマルス・アリーナ)

 男子フリースタイル65キロ級決勝が行われ、清岡幸大郎(三恵海運)がラハマン・アムーザドハリリ(イラン)を10―3で破り、金メダルを獲得した。

 清岡は試合後、「自分の持ち味であのポジションになれば返す自信があった。後半開始から攻めてテクニカルスペリオリティーで勝つつもりだったが、そこまで簡単な相手ではなかった。(桜井と)2人で金メダルを取ることができた」と幼なじみで今大会の女子フリースタイル57キロ級で金メダルの桜井つぐみに続く金メダルを喜んだ。

 第1ピリオドでは1点を先行されたが、その後連続攻撃。一気に10点を加点し、第2ピリオドでは反撃を2点に抑え、最後は相手が観念したかのように動きを止めて終了した。

 1回戦はモルドバ選手に高速タックルを軸とした攻めで着実にポイントを重ね、2分57秒、10―0のテクニカルスペリオリティーで勝利。準々決勝では、昨年の世界選手権2位のセバスティアン・リベラ(プエルトリコ)に追い上げを許しながらも振り切り8―6。準決勝はトゥルガ・トゥムルオチル(モンゴル)に5―1で勝利し、頂上決戦へと駒を進めてきた。

 清岡は東京五輪王者の乙黒拓斗(自衛隊)を2023年全日本選手権で撃破するなど勢いに乗り、初の五輪切符を獲得したホープ。

母の知人の紹介で幼稚園でレスリングを始め、高知南高から日体大へ。男子フリー65キロ級で全日本学生選手権2連覇。23年全日本選手権制覇を果たした。

 女子フリースタイル57キロ級でパリ五輪金メダルの桜井つぐみ(育英大助手)とは小さい頃からの仲。先に金メダルを獲得した幼なじみに刺激をもらい「彼女が取ったなら僕も金メダルを取らなきゃいけないなというふうに思う」とさらに思いを強くした。

 22年12月に父・義雅さん(享年48)が急死。今年4月のアジア予選で五輪出場を決めた際には「誰が来ても倒すだけだった。ここは金メダルを取るための通過点」と話し、天国の父に「五輪の舞台に立つよ。パリまで来て応援してください」と、吉報を届けることを誓っていた。有言実行した。

 清岡の勝利で、レスリングで日本勢が今大会で獲得した金メダル個数は「7」に到達。これまでの最多は2021年東京五輪の5個で、記録をさらに伸ばした。

 ◆清岡 幸大郎(きよおか・こうたろう)2001年4月12日、高知市生まれ。23歳。母の知人の紹介で幼稚園でレスリングを始める。高知南高から日体大に進学し、男子フリー65キロ級で全日本学生選手権2連覇。23年全日本選手権V。4月から三恵海運所属。妹・もえ(育英大)は女子55キロ級で22年に23歳以下の世界選手権で優勝。

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