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プロ注目の強打者 早実・宇野真仁朗3安打3打点 木製バットで大暴れ 4元号勝利導いた

スポーツ報知 2024年8月12日 5時30分

◆第106回全国高校野球選手権大会第5日 ▽1回戦 鳴門渦潮4―8早実(11日・甲子園)

 第1回大会に出場し、甲子園初開催の第10回 大会にも出た伝統校・早実(西東京)が鳴門渦潮(徳島)との初戦を制し、4元号勝利を達成した。高校通算64発を誇るプロ注目の強打者・宇野真仁朗遊撃手(3年)が2回2死満塁、左翼フェンス直撃の走者一掃逆転二塁打を放つなど3安打3打点の大暴れ。聖地を彩った早実のスター系譜に名を刻んだ。

 今大会の“主役”を予感させた。2点ビハインドの2回2死満塁。早実・宇野がスライダーを振り抜くと、木製バットが乾いた音を残し、打球は左翼フェンスに直撃した。走者一掃の逆転二塁打。ぎっしり埋まった三塁側アルプスから流れる応援歌「紺碧の空」をBGMに、二塁上で拳を握りしめた。日本ハム・清宮を擁した15年以来9年ぶりの1勝は、大正から令和までの4元号勝利。「勝ちに貢献できる一打を打ちたかった」と何度もうなずいた。

 走攻守三拍子で魅せた。1打席目では左前への打球を「打った瞬間に狙っていた」と50メートル6秒1の快足を飛ばして二塁打にすると、8回2死からは、高崎亘弘の二塁内野安打の間に二塁から一気に本塁まで生還。守備でも無失策で引き締め、和泉実監督(62)は「嫌な展開だなと思ったところで打ってくれた。さすが宇野だな」とうなった。

 昨冬から「芯に当たる確率が高い」と、木製バットにトライした。ドジャース・大谷も使用する米国のチャンドラー社製で、宇野が操るのは85センチ、880グラムのDeNA・佐野モデルだ。

 父・誠一さん(56)が、同社製バットの日本正規代理店で代表を務めており、宇野も父からバットをもらっているという。バーチ(カバザクラ)材のバットの特徴として材質の硬さを挙げ、「当たったときの打球が金属バットと同じくらい飛ぶ感触がある」と分析している。使い始めた春の都大会で3発、この夏の西東京大会でも2発を放ち、今ではすっかり「代名詞」となった。

 チームは斎藤佑樹がエースだった06年夏以来、18年ぶりの日本一を目指す。「(今日の出来は)80点くらい。まだ満点には程遠い」と宇野。試合後にはテレビ番組の取材で訪れた斎藤さんと言葉を交わす場面もあった。大先輩の前で、主役にふさわしい進化を示した。(浅岡 諒祐)

 ◆宇野 真仁朗(うの・しんじろう)2006年7月5日、千葉・浦安市生まれ。18歳。小学4年で浦安ベイマリーンズで野球を始め、6年時にジャイアンツジュニアとU―12日本代表に選出。日の出中では市川シニアに所属し、3年時にシニア日本代表。早実では1年春からベンチ入り。高校通算64本塁打。50メートル6秒1。好きな言葉は「全力は美なり」。178センチ、81キロ。右投右打。

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