パリ五輪の日本選手団が１４日、都内で帰国会見を開き、メダリスト６９人のうち６６人が出席した。スケートボード男子ストリートで連覇を達成した堀米雄斗（２５）＝三井住友ＤＳアセットマネジメント＝は、拠点を置く２８年ロサンゼルスでの五輪３連覇へ強い意欲をにじませた。日本は海外開催では最多となる金メダル２０個を獲得。銀１２、銅１３と合わせた総数４５個も前回東京五輪に次ぐ歴代２位だった。報奨金は、体操で今大会日本勢最多４個のメダルを獲得した岡慎之助（２０）＝徳洲会＝が１７７０万円で最高額となった。
日本選手団の白いジャケットに身を包んだ堀米が、五輪３連覇を人生のターゲットに加えた。４年後は拠点を置くロサンゼルスでの開催。「小さい頃は米国でプロになることだけを夢見て全てをかけてやってきた。そんな場所で４年後にある。まずは五輪代表に入れるようにして、３連覇を狙いたい」とマイクを手にメダリストたちの前で宣言した。
パリ五輪では後がない最終試技で最高得点をマークし、０・１点差の大逆転優勝を飾った。「この３年間、死ぬ気でやってきて良かった」。逆境を乗り越えて手にした金メダルの喜びを、改めて言葉に込めた。新種目として採用された２１年東京五輪では、１つのセクションで大技を披露する「ベストトリック」で５本中４本で９点台をたたき出し、初代金メダリストになった。
自国開催の東京に続き、４年後に再び“ホーム”で五輪を迎える。２大会ぶりに復活を遂げる野球は、ドジャースの大谷翔平投手（３０）が「出たい気持ちはもちろんある」と意欲を示している。ロスをベースに世界的な知名度を誇る２人。堀米は２２年にアナハイムでのエンゼルス戦の始球式を務めた際には「大谷さんは世界でもすごい活躍している選手。同じ日本人として、いつも刺激をもらっている」と話し、強く意識していた。
高校卒業後の１７年に米国に拠点を移し、２０年秋にはロサンゼルスに練習場を併設した４ＬＤＫの自宅を購入した。「スケートボードを始めた時は五輪もなかった。自分がスケートボードを好きになった部分はストリートのカルチャーが強い」と口にする。２度の五輪を経て、勝負への強いこだわりも生まれた。「スポーツ選手として頑張らないと勝てない世界。そこは切り替えて、これからも頑張りたい」。競技発祥の本場で、日本勢４人目のＶ３へ着地する。（高木 恵）
◆日本人の五輪３連覇以上 レスリング女子で伊調馨が２００４年アテネ、０８年北京、１２年ロンドン、１６年リオデジャネイロ大会で男女通じ
◆堀米 雄斗（ほりごめ・ゆうと）１９９９年１月７日、東京・江東区生まれ。２５歳。父の影響で６歳からスケートボードを始める。２０１６年にアマチュアの登竜門、タンパ・アマで４位。１７年から最高峰のＳＬＳに参戦し、１８年には３戦３勝の快挙。世界選手権では１９年銀メダル、２１年に初優勝。同年の東京五輪で初代王者に輝いた。２４年パリ五輪で連覇達成。１７０センチ。