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【日本ハム】新庄監督へ「銅像の件お願いします」と返した真意とは…宮西尚生〜中継ぎの流儀2024「勇往邁進」

スポーツ報知 2024年8月15日 6時25分

 日本ハム・宮西尚生投手(39)が14日、自ら記す連載「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」でプロ野球初の通算400ホールド(H)を達成した思いをつづった。「体が強くない」と自ら口にする中で現役最多の855登板、そして前人未到の大記録を打ち立てた左腕。球団やトレーナーへの感謝と17年目にして見つけた新たな野球観などを明かした。

 ついに400Hにたどり着きました。ようやく解放された、この一心です。05年から導入されたホールドはプロ野球での歴史が浅く、昔の記録との単純比較はできません。その中で「誰もが認めてくれるだけの数を挙げたい」という思いがずっとありました。自分がホールド数を積み上げることによって、リリーフ投手の価値も高まるはず―。そんな気持ちでここまで来ました。

 記録を達成した4日のソフトバンク戦の後、SNSで祝福してくださった新庄監督に「銅像の件よろしくお願いします」と返信しました(笑い)。あれには伏線がありまして。実は試合後にロッカールームでチームの皆に乾杯をしてもらい、新庄監督が乾杯のあいさつの中で「400Hはすごすぎてピンとこないけど、球団の方にエスコンフィールドに銅像をつくって、と提案するから」と場を盛り上げてくれたんです。急に監督から銅像の話が出て自分もびっくりしましたが、どうやらファンの方々の間では長年「宮西の銅像を建てて」というフレーズが出ていたようで、監督がネット上でそれを見ていたのかもしれないですね。

 よく「鉄腕」と表現されますが、体はほんまに強くないんです。左肘の手術は3回。もう傷だらけです。登板するたびに肘に水がたまってしまうので、定期的に水を抜いて状態を保っています。

 だから、感謝を伝えたい相手として真っ先に浮かんだのがトレーナーさんやチームドクターでした。特にトレーナーのフク(福島)さん、石黒さんにはいつも無理を言って治療してもらって、めちゃくちゃ迷惑をかけたなって…。ルーキーの頃から見てくれている二人で、体も感覚も知り尽くしている。いろいろなケアをしてもらうので、僕は他の選手より治療時間が長くなってしまいます。球場を出るのも一番遅い。トレーナーの皆さんには手間や迷惑をかけた分、感謝の気持ちが大きいです。球団の最大限のサポートなくして今の自分は絶対にありません。

 新庄監督と出会ったこの3年間で、これまでとは違う野球観を勉強させていただきました。1回無失点で402H目を挙げた10日の西武戦、エスコンでの初のお立ち台で「監督から『51歳まで頑張れ』と言われているので頑張ります」と言いました。「頑張る」じゃなくて「楽しめ」と常々言われていたのを思い出して、インスタのDMで「すいません」と送ると、監督から「でも、ファイターズで今1番楽しそうにしてくれているのはミヤだから。ありがとう」と返ってきました。

 「楽しむ」という新しい野球観。監督は1年目からずっとこのことを言ってたんやろうなと、改めて分かった気がします。この1、2年は結果が出ず2軍暮らしも増え、野球人生のどん底を経験しました。世代交代で「今年1軍に上がることはないやろうな」と思っていた中で緊急昇格して。あの時の高揚感はプロ1年目に開幕1軍が確定した時ぐらい

のうれしさでした。成長して頼もしくなった後輩たちとプレーできている今、野球が楽しいです。このメンバーで絶対Aクラスに入りたい。CSに行きたい。このチームで、日本一になりたいです。(宮西 尚生)

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