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【甲子園】大阪桐蔭、夏の甲子園50戦目で初の完封負け 西谷浩一監督「力及ばず、無念です」

スポーツ報知 2024年8月15日 6時0分

◆第106回全国高校野球選手権大会第8日 ▽2回戦 小松大谷3―0大阪桐蔭(14日・甲子園)

 大阪桐蔭は夏の甲子園50戦目で初の完封負けを喫し、小松大谷・西川大智投手にマダックス(100球未満の完封)を許す春夏通じて初の屈辱を味わった。2年生右腕・森陽樹が7回2失点(自責0)と力投も、打線がわずか5安打と沈黙。

 ナインはうつむき、腕で顔を覆った。0―3の9回、1死から5番の内山彰梧が中前安打で出塁したが、続く山路朝大が遊ゴロ併殺に倒れ、1イニングわずか4球で最後の夏が終わった。2回戦以下の敗退は、3年ぶり4度目。歴代最多タイの夏38勝目が持ち越しとなった西谷浩一監督(54)は「最後に何とか形をつくりたかったんですけど、その形すら作れなかった。力及ばず、無念です」と、力なく言葉をつむいだ。

 5回までに3度、得点圏に走者を進めながらあと1本が出なかった。「変化球をしっかり腕を振って投げてこられたり、真っすぐをタイミング外されたり、クイックで投げてきたり。自分たちの間合いでアジャストさせないという向こうの計算だったと思うが、それに乗ってしまった」と指揮官。外野フライは9個と、捉えた打球はことごとく野手の正面へ。4打数無安打に終わった4番の徳丸快晴が「しっかり叩いていけばいい流れで行くとみんな思っていたけど、なかなか思うような攻撃ができずに行ってしまった」と振り返ったように、6回以降は一度も二塁を踏めず、ナインに焦りは募っていった。

 綻びが見え始めた“西の横綱”に、課題の守りが追い打ちをかけた。毎回走者を出しながらも無失点と粘投していた森が、7回1死一、二塁から味方の失策で1点を先制されると、2死二塁で暴投と中前適時打を浴びて追加点を献上。8回から登板した背番号1の平嶋桂知も、2死二塁で暴投し、直後の内野安打で3点目を許した。昨秋は神宮大会初戦に5失策で、今春センバツと春季大阪大会の準々決勝もミスが絡んだ失点で敗戦。夏の大阪大会では全7試合1失策と成長を示していたが、苦しい状況で再びミスを連発した。「自分たちのペースと言い聞かせてやっていたけど、勝ち切れなかった。それがこのチームの弱さ」と平嶋。傾いた流れは戻らず、7回は8球で3者凡退、上位に戻った8回もあっさり3人で3アウトとなった。

 一方、森と初戦で完封した中野大虎が、下級生ながら今夏のチームをけん引。新体制の基盤となれる経験を積んだ。「落ち込んでいる暇はない。3年春に、必ずここに帰ってきます」と森。決意を固めた右腕は、土を持たず、甲子園を後にした。(瀬川 楓花)

 〇…高校通算33本塁打で7回に代打で左飛に倒れた大阪桐蔭のラマル・ギービン・ラタナヤケは「これから決めていきます」とプロ志望届提出を含め、熟考すると明言。8回から2番手で2回1失点だった154キロ右腕の平嶋桂知は「この大舞台での経験を次に生かしたい」と話し、U―18日本代表候補・境亮陽、1年秋から中軸として活躍してきた徳丸快晴らと同じく進学予定だ。

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