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巨人・阿部監督、優勝争い「キーマンは全員」坂本を信頼「何回も優勝を経験して力の入れどころは分かっているはず」

スポーツ報知 2024年8月16日 5時0分

 巨人の阿部慎之助監督(45)が15日、スポーツ報知のインタビューに応じ現在の思いを語った。14日までの9連戦を5勝3敗1分けと勝ち越し、貯金は今季最多タイの11。優勝争いを「意気に感じてやってほしい」とし、ヘルナンデス離脱の緊急事態の中で坂本ら経験豊富なベテランの底力に期待した。4年ぶりリーグ優勝へ向け「全員が本当に同じ方向を向いて」と一丸を宣言。チームは16日のDeNA戦(横浜)が台風の影響で中止となり、17日の同カードから再始動する。(取材・構成=片岡 優帆)

 首位・広島と1差2位で残り36試合。シーズンはこれから佳境を迎える。

 「選手は『優勝のチャンスがあるんだ』と意気に感じてやってほしい。最後まで諦めることなく。自分で現状を把握して、その時その時で、できることをどうやれるかが大事」

 球宴明けは10勝7敗1分け。順調に貯金を重ねる中で7月30日から甲子園で阪神に3連敗。完敗を喫してチーム全体で教訓を得た。

 「流れだったり球場の雰囲気であんなにも変わってしまうのかとみんな感じたはず。そういう中でどうマインドコントロールできるかが一番のテーマだよね」

 14日の阪神3連戦3戦目(東京D)は浅野の満塁弾、戸郷の完封で快勝。「カープと阪神にぶつけるためのローテだから」と広島、阪神との対戦が多い週前半に配置する山崎伊、グリフィン、戸郷を迷わず全員中5日で送って勝ち越した。残りの阪神戦は全4試合、2勝6敗1分けの甲子園だ。

 「やり返すチャンスがまだあるわけだから。何とかしてやろうという気持ちでみんなやるだろうけど、やり返すチャンスを頂いたと思って。力みすぎずにね」

 広島とも残り9試合中6試合が1勝4敗2分けのマツダ。もちろん全試合大事だが、敵地での戦いや勝負どころでの精神面はポイントになる。現役時代にリーグ優勝8度の阿部監督は、しびれる優勝争いに逆転の発想で臨んでいたという。

 「ルーチンとして自分がミスしたり、打てなくて負けるのを試合前にイメージしていた。そうすると緊張してくる。そうなりたくないから。試合が始まったら考えていてもどうしょもない。やるしかない。だから試合前にわざと緊張していた。人それぞれ試合の入り方ってあるから個々でいい準備をしてほしいけど、自分の場合はそうだった」

 采配面では6月まで74試合で犠打は67個だったが、交流戦途中からヘルナンデスが3番に定着し、7月は20試合で11個。序盤に比べてバントが激減した。

 「最初はとにかく得点圏に走者を置くっていうことでやっていたんだけど、なかなか点が入らなかったから方法を変えた。とにかく打って打ってつながせる、っていうのをやったら点が入り出して、そっちに切り替えようってなって」

 とはいえバントを封印するわけではない。9連戦中の広島、阪神との大事な直接対決では初回から送りバントもあった。戦術の幅を広げることで、今まで以上に相手を考えさせられる。

 「いつ動こうかなっていうのはずっと考えながら試合を見ている。この前は初回に送りバントしたけど、あれは絶対に先取点を取って試合を優位に進めるんだっていうメッセージ。そういうメッセージは作戦を通して与えていこうと思う」

 打線は「エリちゃんが入ったのが大きかった」と振り返るほど救世主的な存在だったヘルナンデスが左手首骨折で痛恨の離脱。内野手のモンテスを左翼で使うなど総力戦の状況だ。優勝争いの経験が少ない若手も多くいる中、坂本らベテランへの期待は大きい。

 「勇人はもともと力のある選手だから。打って当たり前だろうって思われるのもきついんだけど、何回も優勝を経験して力の入れどころは分かっているはずだし。ここだ、みたいのも分かってるはずだからね」

 投手でも最年長の菅野が日曜日ローテ固定でリーグトップ11勝(2敗)と抜群の安定感を見せている。

 「日曜に勝てる投手がいるのはありがたい。日曜に勝って月曜の休みを迎えるのは幸せな気分になれる。勝てる投手を日曜に置いて次の週につなげたいっていうこちらの願望、期待に見事に応えてくれている」

 昨年まで2年連続Bクラスの4位に終わった悔しさは忘れない。リリーフ陣は3連投を回避して起用するなど万全のマネジメントが光る。4年ぶりリーグ優勝に向けて勝負の8、9月で一気に加速したい。

 「キーマンは全員。全員が本当に同じ方向を向いてやれるかどうか。一人でも俺はいいや、みたいな選手がいたら絶対に勝てない。全員で戦っていきたい」

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