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【甲子園】岡山学芸館5年ぶり16強 丹羽知則が公式戦初完封 兄の悔しさ晴らした

スポーツ報知 2024年8月16日 5時0分

◆第106回全国高校野球選手権大会第9日目 ▽2回戦 岡山学芸館2―0掛川西(15日・甲子園)

 岡山学芸館が掛川西(静岡)を破り、5年ぶり2度目の16強進出を決めた。3年生右腕の丹羽知則が無四死球で6安打完封。チームは夏の岡山勢で初となる2試合連続完封勝ちを成し遂げた。

 兄が守り切れなかったマウンドに、最後まで立ち続けた。聖地初先発となった岡山学芸館・丹羽が6安打で公式戦初完封を飾った。「目指してきた場所で結果を出せて、最高の気持ちでいっぱい」と、背番号11が県勢初の1大会2度目の完封に導いた。

 2試合連続無失策の守備にも助けられ、岡山勢では18年の創志学園・西純矢(現阪神、創成館戦)以来の無四死球シャットアウト。内角への直球とチェンジアップを軸に「三振も狙って取れた」と、7Kを奪った。

 3兄弟の長男で同校OBの淳平さん(22)=会社員=は、19年夏の甲子園に出場している。背番号3で広島商との2回戦に先発し、初回に打球が左頬に直撃。11球で降板し、低反発の新基準バット導入の一因になった。初戦後、三男・知則から「甲子園のマウンドはどうだった?」と連絡が。けがの心配を忘れるほど、聖地に立った長男の姿は輝いて見えていた。

 淳平さんは左顔面骨骨折を負いながら、作新学院との3回戦は2度登板して計4回で5失点。この日はアルプス席で応援し「僕が甲子園に出た時は(三男の)携帯の待ち受け(画面)は僕。いつも僕がプレーしている動画を見ていた」と、当時を懐かしんだ。

 小学校から同じ道を歩んできた弟とは「ピッチャーライナーには気をつけろよ」と、冗談交じりに助言をする仲の良さ。「ずっと超えてほしいと思ってきた。自分が経験した悔しさを同じ高校で、同じ場所に立って、晴らしてくれている。こんなにうれしいことはない」と、弟の雄姿に胸を張った。

 知則は他校の練習会に参加するまでもなく、長男と同じ高校へ。思いが通じたかのように、7回2死三塁で2点目の左前適時打を放った。同校初の夏2勝目にも「ベスト8の壁を越えなければ」と、神村学園との3回戦へ表情を引き締めた。憧れ続けた長男の背中を超えて、チームに新たな景色を見せる。(森口 登生)

 ◆丹羽 知則(にわ・とものり)2006年5月7日、兵庫・川西市生まれ。18歳。5歳から野球を始め、多田東小では多田東少年野球クラブでプレー。多田中では豊中シニアに所属し、2、3年時に全国大会出場。岡山学芸館では2年春からベンチ入り。最速140キロ。変化球はカットボール、カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク。182センチ、67キロ。右投右打。左足を高く上げる投球フォームはロッテ・佐々木朗希を参考にしている。

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