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バレー女子日本代表主将、古賀紗理那が引退会見 涙はなく「パリで選手は引退すると決意して、ここまで練習、試合をしてきた」

スポーツ報知 2024年8月16日 14時13分

 バレーボール女子日本代表の古賀紗理那(NEC)が16日、都内で引退会見を開いた。会見冒頭「緊張しています…」とはにかんだ古賀は「2024年8月3日のパリ五輪の試合をもちまして、プロバレーボール選手としてのキャリアを終える決断を致しました」とあいさつした。

 VリーグでMVPは3度受賞。2度目のパリ五輪で主将を務めた180センチのアタッカーが五輪を最後の舞台とし、現役を退くことを決断した。古賀は「東京五輪が終わってから、パリで主将をやると決めた時から、パリで選手は引退すると決意して、ここまで練習、試合をしてきた。目標のメダルには届かなかったけど、チームとして戦うためにずっと練習してきて、積み上げてきたものは消えないと思っている。みんな頑張った大会」と、涙はなく振り返った。

 小学2年でバレーボールを始め、地元の強豪・熊本信愛女学院高に進んだ。1年時に全日本高校選手権(春高バレー)で4強、2年時に全国高校総合体育大会(インターハイ)で準優勝。中高はアンダーカテゴリーの代表で活躍してきたが、13年4月、真鍋政義監督が率いた日本代表に高校2年で初選出された。当時エースの木村沙織らとともに攻撃陣の軸の一人として、存在感を放ってきた。

 高校を卒業後、15年にNECに入団し、16―17年、22―23年、23―24年に3度優勝し、いずれもMVPに輝いた。日本代表では、21年東京五輪に初出場し、22年からは全日本の主将に就任。今年の5~6月のネーションズリーグでは初の銀メダル。個人でもトルコのエース・バルガスに続く176得点をマークし、ベストアウトサイドヒッターのタイトルを獲得。今夏のパリ五輪は「エースで主将」の大役を担い、チームを率いた。

 パリ五輪に出発した前日の7月9日、自身のSNSでパリ大会を最後に現役引退することを表明。前回東京大会後から決めていたとし「五輪に集中したい」との思いから、大会開幕前に明かした。「この競技が好き。感謝を込めてプレーしたい」と最後の舞台へ向かった。引退試合となった3日の1次リーグ最終戦のケニア戦(3〇0)では、チーム最多16得点で最後までけん引。試合後にはコート上で突っ伏し、涙に暮れた。「きょうはバレーボールが大好きな古賀紗理那として戦いました」と声を震わせた。競技人生20年、最後まで真っすぐ競技と向き合い続けたエースが、選手生活にピリオドを打った。

 ◆古賀紗理那(こが・さりな)1996年5月21日、佐賀・神埼郡生まれ。28歳。小学2年時からバレーを始め、熊本・大津中から熊本信愛女学院高に進む。13年、日本代表に初選出。卒業後はVリーグ・NECに入団し、16年に最優秀新人賞を獲得。21年東京五輪代表。22年から日本代表主将。同年12月末、男子代表の西田有志との結婚を発表。23、24年に2年連続でVリーグMVP受賞。180センチ。最高到達点305センチ。

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