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MLBが仰天の新ルールを検討する2つの目的 導入ルールは遅れてNPBでも採用傾向…近年の主な変更

スポーツ報知 2024年8月17日 4時0分

 オープナーやブルペンデーはなくなる? 米大リーグ機構(MLB)が「先発投手が6回以上投げなければいけない」という新ルールの導入に向けた議論を始めていると、スポーツ専門局「ESPN」のJ・ロジャース記者が15日(日本時間16日)に報じた。

 近年、MLBは試合時間短縮や人気回復のため、ピッチクロック、守備シフト禁止、ワンポイント禁止など多くの新ルールを導入してきた。AI審判なども導入へ向け議論が進む中、先発投手が6回以上を投げるという仰天案も浮上した。〈1〉100球以上、〈2〉自責点4以上、〈3〉負傷―の場合は6回未満での降板可能だが、それ以外の理由では降板できないようになるという。驚きの新ルールを検討した背景には、以下の目的があるとみられる。

 〈1〉先発投手の地位向上 同記事によると、先発の平均投球回は14年に5・97だったが、今季は5・25になり、3Aでは4・3まで下がっている。球数を厳しく管理して分業化が進み、救援投手が先発する「オープナー」や救援投手が継投する「ブルペンデー」などの作戦も一般的になったが、試合の主役とも言える先発投手が育ちにくくなっており、「先発がマウンドにいる時間を長くすることを願っている」とした。

 〈2〉故障減少 近年は球速を追い求める投手が増え、肩と肘の故障、手術による長期離脱が増加している。長いイニングを義務化することで「投手は球速に頼ることをやめなければいけなくなり、力任せの投球ではなく、長いイニングを投げるためのトレーニングをするようになるだろう」と指摘した。

 先発投手の投球回については、5回まで投げ切れなかった場合にDHの権利を失う「ダブルフックDH制」の導入も検討中。MLBで導入されたルールは遅れてNPBでも採用される傾向にあり、今後の行方が注目される。

 ◆MLBの近年の主なルール変更

 ▼ピッチクロック(23年~)投球間の時間制限。今季は無走者で15秒、走者ありで18秒。時間短縮効果。

 ▼守備シフト禁止(23年~)内野手は二塁ベースを中心に左右に2人ずつが守らなければならず極端な守備隊形が禁止に。

 ▼ベース巨大化(23年~)本塁を除く各ベースのサイズが15インチ(約38.1センチ)四方から18インチ(約45.72センチ)四方に拡大。盗塁成功率の向上、接触プレーでの負傷軽減が目的。

 ▼ワンポイント禁止(20年~)時間短縮のため救援投手は最低3人と対戦するか、イニングを終わらせなければ交代できない。

 ▼申告敬遠(17年~)投げなくても四球を申告可能。

 ▼ロボット(AI)審判(検討中)コンピューターがストライク、ボールを判定。独立リーグやマイナーで19年頃から試験導入。

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