演歌歌手の氷川きよしが１７日、東京ガーデンシアターでデビュー２５周年ツアーの初日公演を開催した。２０２２年末に歌手活動を休止して以来、１年８か月ぶりとなるステージ。約３時間にわたって全３２曲を歌い上げた。
ファンがペンライトを振って迎える中、姿を見せた氷川は満面の笑みで手を振り返した。復帰ステージで最初に選んだ曲は「ＷＡＬＫ」。冒頭の歌詞である「どれほどたくさんの人に励まされてここまで来たんだろう」に自身の思いを込めた。
氷川第二章のスタイルを示した。燕尾服、はかま、デニム、ドレスなど様々な衣装姿を見せながら、デビュー曲「箱根八里の半次郎」などの演歌の他、「ボヘミアン・ラプソディ」などのポップスも披露。雰囲気の異なる曲を変幻自在に歌い上げた。曲間にスクリーン上で「これまでの氷川きよしを置いてくのでもなく、ＫＩＩＮＡ（キーナ、自身の愛称）に生まれ変わるのでもなく、すべて自分。」と流れたように、新しい自身の形を体現した。
氷川は、２２年のＮＨＫ紅白歌合戦をもって歌手活動を休止。今年４月にはデビュー時から所属していた事務所から独立し、新会社「ＫＩＩＺＮＡ（キズナ）」の設立と歌手活動の再開を発表していた。
本来なら１６日が初日のはずだったが、台風７号の影響で中止。それでも、この日は青空が広がり、６５００人が集結した。
自身の父への思いを詞にした曲「Ｆａｔｈｅｒ」の歌唱後には感極まって涙。「本当に幸せです。１人では何もできないんですけど、たくさんの良い人に支えられて今日の日を迎えることができて本当にうれしく思います」と感謝を口にした。最後は晴れやかな表情で「大好きだよ。忘れません、この日を」と客席に愛を届けていた。