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大谷翔平、全30球団からの本塁打は現役19人目の偉業 史上最速8月中の「40ー40」達成も視野

スポーツ報知 2024年8月19日 0時0分

◆米大リーグ カージナルス5―2ドジャース(17日、米ミズーリ州セントルイス=ブッシュスタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が17日(日本時間18日)、日本人選手初の“全30球団制覇弾”をマークした。敵地でのカージナルス戦に「1番・DH」で先発出場。5回に同戦では初本塁打となる38号ソロを放った。2盗塁もマークし、シーズン49発&48盗塁ペース。史上6人目の「40―40」はおろか、前人未到の「50―50」を視界に捉えた。8月は打率1割台と苦しむ中で打ち立てた金字塔を、復調のきっかけとしたい。

 歴史の扉をこじ開けた。2点を追う5回2死。大谷はパランテの3球目、80・3マイル(約129キロ)ナックルカーブを振り抜いた。4試合ぶりの38号ソロ。打球速度111・9マイル(約180キロ)、本塁打では今季最も低い角度となる21度の弾丸ライナーで右中間フェンス後方にあるカージナルスのブルペンに打ち込んだ。01年にイチローが日本人野手で初めて海を渡ってから23年。メジャー7年目の大谷が通算209本目のアーチで日本人初の「30球団制覇」を成し遂げた。

 「どういうチームからでも打てるのはいいことですし、どういう投手が来てもいい打席を送れればいいのかなと思います」

 現役選手では19人目の偉業で、ベッツらと肩を並べた大谷。ブッシュスタジアムでも初本塁打となり、28球場(現在の各球団本拠地では26球場)目のホームラン。“全本拠制覇”には残り4球場とした。

 8月は15試合で6発目だが、月間打率はいまだ1割7分2厘。打撃の中で構えた時の感覚を最重要視する大谷は「構えている段階でいい未来が見えていない感じ」と独特の表現で苦悩の深さを表現した。「打ったと思った球がちょっとのズレでコンタクトできていない」とも言い「いい打球を打ってもアウトになる打席が今月は多い。自分の中でそれが本当に正しい技術なのか判断しづらいので、多少戻しづらくなっている原因にもなっている」と表情は硬かった。

 しかし、足にスランプはない。初回先頭で四球を選ぶと、前日に続く“デコピンスパイク”で2試合ぶりの36盗塁目。3回先頭では空振り三振も振り逃げで一塁に残り、リーグ2位タイの37盗塁目を決めた。自己新記録を更新中の盗塁は年間48個ペースとなり、49本塁打ペースと合わせて史上初の「45―45」どころか、「50―50」まで視界に捉えた。メジャー6人目の「40―40」はもはや通過点。史上最速の8月中に到達するかどうかに注目が集まる。

 ナ・リーグ西地区首位のド軍は3発を浴びて連勝ならず。同2位のパドレスと再び2ゲーム差まで接近を許した。同3位のDバックスとも3差と混戦が続く。「今首位にいますけど、僅差ではあるので。勝ちを積み上げて、なるべく余裕のある状態で9月に入れればベスト。今はその方が大事かなと思います」と大谷は個人記録には目もくれなかった。この男の原動力は勝利への執念。歴史的一発を完全復活への号砲にする。(中村 晃大)

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