◆ＪＥＲＡ セ・リーグ ＤｅＮＡ２×―１巨人＝延長１１回＝（１８日・横浜）
千両役者らしい、さすがの勝負強さだった。坂本勇人内野手（３５）が試合を一時振り出しに戻す適時打を放った。１点を追う８回２死一塁。フルカウントから山崎が投じた真ん中低めのツーシームに反応した。快音を響かせた白球は三遊間を破り、左翼線へ。一塁走者の吉川が激走を見せて生還し、同点に追いついた。ただチームは延長１１回で手痛いサヨナラ負け。「（試合に）負けているんでね」と、悔しさをにじませた。
背番号６の復調は覇権奪還へ向けて何よりのプラス材料だ。今季は本来の姿から遠く、打撃不振で２軍調整も経験した。不調時は打ちにいく際に右肩が下がりバットの軌道が遠回りすることで、打ち損じが増えていたが改善中だ。打席での立ち位置やタイミングの取り方なども試行錯誤する中で、８月は４４打数１２安打で打率２割７分３厘、５打点。長打も増えており、底を完全に脱している。
阿部監督は５番で起用した坂本の一時同点とする適時打について「大きな収穫ですよ。あそこで追いつけたというのは」と称賛。モンテスが３番としてはまりつつある中で、復調傾向にある坂本が５、６番でポイントゲッターとして機能すれば、打線の破壊力は格段と増してくるはずだ。
チームの連勝は２でストップし、２０日からは本拠地の東京Ｄで首位・広島との３連戦。逆転Ｖへ勝負どころを迎える。「また頑張って勝てるように」と決意を込めた背番号６が中心となって、勝利を手繰り寄せる。（宮内 孝太）