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森祇晶さんインタビューのためだけに手書きメモ10枚準備…「V9頭脳」の緻密さとすごみ 担当記者が明かす

スポーツ報知 2024年8月20日 5時30分

 巨人球団創設90周年記念の連続インタビュー「G九十年かく語りき」の第8回は森祇晶さん(87)の登場だ。捕手として「V9の頭脳」と呼ばれ、巨人の強さを支えた洗練されたチームプレーの要でもあった。水原茂、川上哲治という2人の大監督から教えを受け、のちに西武でも黄金期を築き上げた知将が、秘話を語った。(取材・構成=湯浅 佳典、太田 倫)

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 ■取材後記 私の手元に、10枚にも及ぶメモがある。森さんが、今回のインタビューのために用意していたものだ。「何を聞かれてもいいようにね…」と照れ笑いしていたが、取材後に譲り受けたメモには、巨人の歴史の断片が書きつけられていた。

 「NO1」と題した1枚の冒頭には「V9は(昭和)40年からであるが、36年川上監督になって野球が大きく変わった」と記してある。「トレードによるチームの活性化」「各チームの戦力」とテーマごとにまとめられ、トピックが蛍光ペンなどで色分けまでされていた。

 それでいて、取材中にメモに頼るような場面はほとんどなかった。膨大な情報を整理して臨むプロ意識と、用意周到さ。「V9の頭脳」のすごみが、メモの束から立ちのぼってきた。(野球デスク・太田 倫)

 ◆森 祇晶(もり・まさあき)1937年1月9日、大阪・豊中市生まれ。87歳。現役時代は昌彦。55年に岐阜高から巨人に入団。61年から8年連続ベストナイン。74年引退。球宴出場11回。ヤクルト、西武のコーチを経て、86年に西武監督に就任。パ・リーグ史上初の5連覇(90~94年)を含むリーグ優勝8度、日本一6度に導き、94年限りで退団。2001、02年に横浜(現DeNA)監督。05年に野球殿堂入り。

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