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松山英樹、節目の10勝目に米ツアー優勝経験者・今田竜二さん「17番のパット、18番の第1打は非常に価値ある一打」

スポーツ報知 2024年8月19日 20時50分

◆米男子ゴルフ プレーオフ第1戦 フェデックス・セントジュード選手権 最終日(18日、米テネシー州メンフィス・TPCサウスウインド=7243ヤード、パー70)

 単独首位から出たパリ五輪銅メダルの松山英樹(LEXUS)は4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算17アンダーとし、2月のジェネシス招待以来となる今季2勝目、通算10勝目を挙げた。プレーオフシリーズでの日本勢の優勝は初。年間ポイントランクは8位から3位に浮上した。松山の激闘を、2008年に米ツアー1勝を挙げた今田竜二さんが解説した。

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 松山選手は15番のダブルボギーで1打追いかける立場になり、16番も取れませんでした。そこから持ち直せたのは一流の精神力があってこそ。17番の上りの8メートルのパット、18番の3ウッドでのティーショットは左からの風の中、フェアウェーの左サイドに思い通りの球が打て、ともに非常に価値のある一打でした。重圧がかかる場面で、これまでやってきた全てが凝縮されたプレーでした。

 最終日は最初5打のリードがあり、あまり攻めないゴルフに徹していたと感じます。後続も前半はそこまで伸ばしておらず、やや余裕のある展開でした。バーディーも取りたいが、ボギーも打ちたくない展開が続きました。12番の第1打後、オフィシャル(競技委員)と議論をする場面が画面越しに見受けられました。7番ホールが対象だったかと思いますが、精神的に揺さぶられた感じもあり、12番の3パットから少し流れが悪くなり、14番は池に入れてしまうマネジメントミスも見られました。

 だが、終盤で気持ちを切り替えられたのは本当の強さですよね。21年マスターズのメジャー優勝を含む、通算10勝目。メモリアルトーナメントや名門リビエラCCで勝っており、名実ともに超一流になったと言えます。これまで日本男女で4人しか入っていない世界ゴルフ殿堂(40歳以上)入りも将来、間違いないでしょう。

 松山選手はドライバーで球を捉える力やアイアンショットも世界有数の中の一人ですが、満足しない姿勢、探究心が活躍を支えています。今週はパターを替え、気分転換の意味や芝質(バミューダ芝の対応)もあったかと思います。硬い高速グリーンで知られるコースでパッティングが好調でした。これだけの安定感を持って、11年以上戦うのは本当に難しいこと。2週後の最終戦、ツアー選手権はどの位置でスタートできるかが、年間王者に向けて大事になってきます。(プロゴルファー)

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