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セーリングで銀メダル・岡田奎樹と吉岡美帆がコンビ解消 岡田はロス五輪・金へ別の艇種で挑戦か、吉岡は一線退く方向

スポーツ報知 2024年8月21日 6時30分

 セーリング混合470級で、パリ五輪銀メダルの岡田奎樹(28)=トヨタ自動車東日本=、吉岡美帆(33)=ベネッセ=組が20日、神奈川・藤沢市内での会見で、コンビを解消することを明らかにした。同競技では20年ぶりの五輪メダリストとなったペアは、全日本470級選手権(21~25日・神奈川・江の島)がラストレースになる。吉岡は28年ロサンゼルス五輪を狙わず一線を退く方向で、セーリングは続けるという。

 パリ五輪は、吉岡にとって、初めて出場した2016年リオデジャネイロ五輪から五輪3度目の挑戦だった。頂点には届かなかったが、初のメダルを獲得し「実力を出し切った。満足だという気持ち。(全日本で)ひと区切り」とこの日、一線を退く意向を示した。

 五輪のため、全てを犠牲にして、セーリングに人生を懸けてきた。「費やすエネルギーがものすごい。我慢してきたこともある。また4年間、同じことをやるエネルギーがちょっと。自信がない」と、五輪に挑む大変さを明かした。

 立命大時代は全く無名だった。しかし、177センチの長身を見込まれ、世界選手権銀メダリストで2度の五輪出場の経験を持つ吉田愛のペアに抜てきされた。だが、初出場のリオ五輪は「無我夢中なだけ」で、序盤のレースで海に落ちた。

 18年世界選手権で優勝し、金メダル候補として挑んだ21年東京五輪。地元・江の島が舞台だったが、新型コロナ禍もあって、事前の海外遠征ができず。「自分たちが、世界でどの位置にいるのか分からなかった」と、手探りの五輪だった。

 そして挑んだパリ五輪。大会前に「集大成。これが最後と覚悟して挑む」と話していた。目標は「あくまで金メダル」と、決して大言を吐くタイプではない吉岡が世界の頂点を公言した。あと一つ、金メダルには届かなかったが「ようやく努力が実った」と笑った。

 少し、競技から離れてしまうのはためらう。「金じゃなくて、少し悔しい気持ちもある。だから(五輪を狙うのは)完全にゼロではない。10%ぐらいはあるので、(まだ)引退じゃない」。だから、まだ「一線を退く」だ。今はまず、最後の全日本で「五輪を目指す選手が、憧れるようなレースをしたい」。その後は、我慢してきた大好きなお菓子を「制限なく、好きなだけ食べたい」が当面の目標に変わる。(吉松 忠弘)

 〇…コンビ解消の岡田は、「もう一段上のメダルを目指したい」と、28年ロス五輪への挑戦は明らかにした。しかし、それが470級かと言えば「分からない。ある程度、考えは決まっている。楽しみに」と話すにとどめた。関係者によると「2人乗りの別の艇種を考えているようだ」という。ロス五輪で470級以外の2人乗りは、49er級かナクラ17級となる。

 ◆岡田 奎樹(おかだ・けいじゅ)1995年12月2日、福岡県生まれ。28歳。5歳でセーリングを始める。2017、18、20、21、23年470級全日本優勝。21年東京五輪は470級男子で7位入賞。23年世界選手権470級混合で優勝。佐賀・唐津西高、早大卒。高校時代3年間、1996年アトランタ五輪470級女子銀メダルの重由美子さんに師事。ポジションはスキッパー。170センチ。

 ◆吉岡 美帆(よしおか・みほ)1990年8月27日、広島県生まれ。33歳。兵庫・芦屋高でセーリングを始める。2013、19、23年470級全日本優勝。16年リオ五輪470級女子で5位入賞、21年東京五輪は同級7位入賞。18年世界選手権470級女子、23年世界選手権470級混合で優勝。立命大卒。全く無名だった大学時代、女子の試乗会で代表入りを打診された。ポジションはクルー。177センチ。

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