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【甲子園】2年生左腕の西村一毅23イニング連続無失点「チームを勝たせられたのでそれが一番大きい」

スポーツ報知 2024年8月22日 5時0分

◆第106回全国高校野球選手権大会第13日 ▽準決勝 京都国際3―2青森山田(21日・甲子園)

 京都国際が青森山田に鮮やかな逆転勝ちで、初の決勝進出を決めた。2点を追う6回、死球を挟む3連打などで試合をひっくり返し、今春センバツ1回戦でサヨナラ負けした宿敵にリベンジを果たし、関東第一と春夏通じて決勝史上初となる東京勢と京都勢による“新旧都対決”に臨む。決勝は22日の休養日をはさみ、23日午前10時に試合開始。100周年を迎えた甲子園で、栄冠が輝くのはどちらか。夏のドラマがいよいよ最終章を迎える。

 2年生左腕が戦局を一変させた。0―2の5回1死二塁、京都国際・小牧監督は立ち直りの兆しを見せていたエース左腕の中崎琉生に、早々と代打を送った。得点はならなかったが、救援した西村一毅が5回無失点。今大会初の継投でも、度胸満点の投球で0を並べた。「立ち上がりは悪かった。ただチームを勝たせられたので、それが一番大きい」。完封勝利を挙げた2回戦の新潟産大付戦から、大会通算23イニング連続無失点の快進撃だ。

 先発の中崎は初回、2四球と犠打で1死一、二塁とされ、4番・原田純希の二塁打と犠飛で2点を先行された。「明らかに中崎が良くなかった。勝負どころで回ってきたら代えると、迷いはなかった」と小牧監督。「相手の勢いを止めよう」。西村は5、6回こそ安打を許したが、7、8回は3者凡退。追加点の許されない状況で1点も与えず、逆転の流れを呼び込んだ。

 今春のセンバツはメンバーから外れ、サヨナラ負けの瞬間はグラウンドにも立てなかった。「いいものを持ってるわりに、取り組む姿勢とかが甘かった」と指揮官。このメンバー落ちが西村の魂に火をつけた。「スイッチが入った。それまでは少し手を抜いたり、流れ作業でやっていた部分があった」。“手を抜いていた”と表現できるほど、日々の取り組みは大きく変化。迎えたリベンジの舞台で、勝利の立役者の一人となった。中崎は涙も見せたが「仲間が助けてくれた。次は自分が」と決勝戦の雪辱へ気合十分。生誕100周年の甲子園で、左腕2人がさらに新たな歴史をつくる。(瀬川 楓花)

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