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【箱根への道】国学院大が夏合宿で走り込み「やり切ったら優勝できるぞ!」エース平林「団結力高まっている」

スポーツ報知 2024年8月23日 7時0分

 箱根駅伝には「夏を制する者が箱根を制する」という格言がある。来年の第101回大会で初優勝を狙う国学院大は、長野・蓼科高原などで精力的に夏合宿を行っている。エースで主将の平林清澄(4年)は走りながら「やり切ったら箱根で優勝できるぞ!」のゲキを飛ばすなどチームの雰囲気は良好だ。

 蓼科高原で夏休みを楽しむ観光客と対照的に国学院大ランナーは目をギラギラさせて走っていた。標高約1530メートルの女神湖周回コース(1周約1・8キロ)で30キロ走。平林主将は先に10キロを走り、40キロ走を敢行した。

 「残り5周(約9キロ)が勝負だぞ! やり切ったら箱根駅伝で優勝できるぞ!」。平林が声を張り上げると、チームメートは「おう!」と勇ましく答えた。前田康弘監督(46)は「野球部みたいに声が出ているな」と楽しそうに話した。予定通りのタイムでゴールすると、泣く選手も、笑う選手も。どの顔も充実感であふれていた。

 国学院大は、昨季の学生3大駅伝で出雲3位、全日本3位、箱根5位。自他共に認める強豪校となった。今季のチーム目標は明確だ。

 「箱根駅伝総合優勝」

 その文言は選手寮の食堂の一番目立つ場所に貼られ、選手は常に意識している。「この夏合宿で団結力はさらに高まっています。昨年の夏合宿に比べて、練習の質、量ともに上です」と平林は自信を持って話す。

 平林は一選手としても覚悟を持って夏合宿に臨んでいる。「僕自身、エースとしてやらなければいけない」。2月の大阪マラソンで日本歴代7位の2時間6分18秒の好記録で優勝。来年の東京世界陸上代表の条件(完走3回以上)を満たすために練習を兼ねて北海道マラソン(25日)に出場。チームの誰よりも走り込む。

 箱根初制覇へ欠かせないキーマンが副将の山本歩夢(4年)。ハーフマラソンで日本人学生歴代4位の1時間0分43秒の自己ベスト記録を持つが、昨季は出雲4区5位、全日本2区11位、箱根欠場に終わった。「最後の箱根は1区でチームに勢いをつける走りをしたい」と意気込む。2人に次ぐ戦力も台頭している。今年の箱根3区4位の青木瑠郁(3年)、同4区4位の辻原輝(2年)、同10区10位の高山豪起(3年)らは今季、さらに成長。6区も後村光星(2年)が前回10位を上回る走りが期待できる。

 第100回大会を総合新記録で制した青学大が今季も優勝候補の筆頭。「青学大と戦うためには5区が鍵」と前田監督は話す。前回5区17位の上原琉翔(3年)、前々回10区4位の佐藤快成(4年)らが候補に挙がる。「最終目標の箱根で優勝するために全日本を本気で勝ちにいきます」と前田監督は戦略を明かす。今季の国学院大は新時代をつくろうとしている。(竹内 達朗)

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