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【甲子園】京都国際・最強“レフティー兄弟”中崎琉生&西村一毅の決意 京都勢68年ぶり優勝へ「1イニングずつ全力で」

スポーツ報知 2024年8月23日 6時0分

 第106回全国高校野球選手権大会は23日午前10時から決勝が行われ、ともに春夏通じて初優勝を目指す関東第一(東東京)と京都国際が対戦する。東京勢と京都勢による“新旧都対決”は決勝では春夏通じて初。両校は22日、関西圏のグラウンドで最終調整。京都国際は、2完封を含む23イニング連続無失点中の西村一毅(いっき、2年)、1完封の中崎琉生(るい、3年)の両左腕が共闘を誓った。京都勢が優勝すれば東京の60年ぶりを上回り、最長ブランクの68年ぶり。決勝は延長10回からタイブレークで行われる。

 大一番に向けて、両左腕の状態は万全だ。京都国際の“ミスターゼロ”西村は、軽めのダッシュやトレーニングで調整した。2番手で5回66球を投じた21日の準決勝(青森山田)から中1日での決勝にも「疲労は取れた。もう大丈夫」と強調した。

 あくまでも自然体を貫き通す。ここまで、23イニング連続無失点中。決勝での更新も視野に入るが、「そこに関してはあまり頭にない」と、意に介さない様子だ。警戒する相手打者について問われると、「うーん」と困惑。数秒後、関東第一の4番・高橋徹平が準々決勝(東海大相模)で決勝アーチを放ったことを報道陣に伝えられると「あ、じゃあその高橋さん?って人がすごいバッターなので」と“即興”で相手主砲の名前を披露した。

 一方、甲子園のある兵庫・西宮市出身の中崎は、節目の大舞台へ強い覚悟をにじませた。幼き日のスターを思い返し、「金足農の吉田(輝星)投手や、星稜の奥川(恭伸)投手。甲子園であれだけ輝けるのは、本当にすごい」と目を輝かせた。開場100周年を迎えた聖地で、今度は自身が同じ決勝のマウンドへ。「自分が日本一になって、憧れの存在になれれば」と新たな“ヒーロー襲名”へ意欲満々だ。

 小牧憲継監督(41)は「(先発は)まだ決まっていない」としつつも、「代打、継投を含めて早めに仕掛けていきたい」と宣言。「あと1試合、ぶっ倒れてもいいんで、死力を尽くして戦いたい。うちから気合と根性を除いたら何も残らない」と力を込めた。

 中崎は「理想は完投。でも、(先発だったら)後ろに西村がいるので、1イニングずつ全力で行きたい」と、“弟分”との共闘を誓った。西村は「中崎さんとできる最後の野球。悔いなく、一緒に優勝できるように」と決意。完封リレーが実現すれば、今大会4度目の完封での優勝となり、32年ぶりの快挙。最強の“レフティー兄弟”が、西の都に68年ぶりとなる深紅の大優勝旗を持ち帰る。(南部 俊太)

 〇…主将の藤本陽毅内野手(はるき、3年)が決勝でも守り勝つ決意を示した。「球際の強さや連携プレーを、どこよりもやってきた」。その言葉通り、甲子園ではここまで5戦5失点と、投手力とともに安定した守備も光る。新チーム結成後、打線は公式戦での本塁打はなし。それでも「守備はできあがっている。明日もその成果が出せたら」と、「守りの野球」の集大成で日本一をつかみ取ることを誓った。

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