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【甲子園】京都国際初優勝に貢献した道産子球児…恩師に「約束」以上の贈り物

スポーツ報知 2024年8月24日 6時34分

 第106回全国高校野球選手権大会の決勝が23日、甲子園で行われ、京都国際が2―1で関東第一(東東京)を下し、初優勝を果たした。全試合出場の高岸栄太郎内野手(3年)、沢田遥斗外野手(3年)をはじめ、服部颯舞内野手(3年)、尾角凌内野手(2年)の道産子4人が優勝に貢献。中学時代に高岸、沢田の両レギュラーを指導した北広島シニア前監督の小野寺賢一さん(53)は、3年前に交わした「約束」を上回る全国制覇を成し遂げた教え子を祝福した。

 優勝の瞬間、アルプススタンドから声援を送っていた小野寺さんの目から涙がこぼれた。北広島シニアの監督として3年間指導した京都国際・高岸、沢田が日本一を成し遂げ「『一生友達だから、一生付き合ってね』と送り出して、3年後にこんなプレゼントをもらえるとは。指導者冥利に尽きます。夢みたい」と感極まった。

 同シニアから道外の高校に進学した前例はない中、親元を離れて京都へ。気候、方言など周囲の環境が大きく異なる関西での挑戦を2人は選択した。京都国際は入学前年の21年に甲子園初出場を果たしたばかりで、当時は決して全国的には名門とは言えない新鋭校。それでも、「道外で挑戦したい」という意思は固く、小野寺さんも「勝負したい気持ちがあるなら行かせてあげたい」と引き留めることはなかった。

 入団時に「3年生でキャプテンになります」と宣言した高岸と「いつも手がボロボロで、遠征先では必ず素振りができる場所を聞いてきた」という沢田。3年経った今でも中学時代の2人の姿は鮮明に覚えている。高校合格時に交わした約束も忘れない。「試合に出られるようになって、甲子園に絶対に行きます」。約束通り、2度の甲子園出場。さらに全国の頂点まで上り詰める小野寺さんの想像以上の活躍に「おめでとうと言葉をかけたいけれど、ありがとうも添えたい。本当に良い思いをさせてもらった」と感慨深げに語った。

 高校卒業後も2人はそれぞれの道で野球を続ける予定だ。小野寺さんは「将来はプロでも社会人でも指導者でも、どのような形でも野球に関わった人生を送ってほしい。北海道で『お腹いっぱいです』というぐらい好きな物を食べさせてあげたい。早く会いたいですね」。教え子であり「友達」でもある甲子園優勝球児との再会を待ちわびていた。(島山 知房)

 ☆京都国際・高岸栄太郎内野手(3年=決勝を含む5試合でスタメン出場)「個人の結果よりも、仲間と優勝できたので一番良かった。本当に京都国際に来て良かった。来年も連覇して日本一になってほしい」

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