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J1残留するため1失点への危機感がもっと必要…北海道コンサドーレ札幌・三上大勝代表取締役GMのコンサ便り

スポーツ報知 2024年8月24日 6時48分

 16日の鳥栖戦に5―3で勝ち、3試合ぶりの白星を挙げた。3―0から2点を返されるなどしたが、今のうちの状況から言うと、長い目で見た得失点差だとか、この試合を勝つとかいう以前に、1失点を絶対にしないということに最大の注意と意識を持っていかないと、と再認識したゲームになった。

 相手もあるわけだから1失点はあるかもしれない。ただその後に連続失点はしないと切り替える2段階の考えを持ちつつも、一番パワーを使わないといけないのは、3―0だろうが4―0だろうが絶対に1点もやらないということ。今年でいうと3―0から追いつかれた湘南戦、逃げ切れはしたが4―0から4―3まで追い上げられた浦和戦、それに鳥栖戦と、このままなら1失点するな、失点するかもとなった結果、やっぱりなという試合になった。

 コンディションの問題だとか、相手の対策やシステム変更だとか、要因はたくさんあるが、そのやられそうな雰囲気を中で感じていながら修正する力がまだない。この3試合での1失点は、単に3―1の1ではなく、一気に流れを持っていかれる意味の1。そこに対する意識の希薄さが、このチームの課題だと思っている。一方で浦和、鳥栖と逃げ切れたという点から、地力は一つ、ついてきたとは思う。ただ、本当にJ1残留を考えた時、うちにとっての1失点というのは単なる1ではないんだということを、もう一度チーム内で統一しないといけないと感じ、伝えている。

 今夏、6人の補強をしたが、一方で岡田がJ2熊本、大森がJ3北九州、西野がJ3讃岐に期限付き移籍した。クラブとしては3人とも本当に残したかった。21日に敗れはしたが天皇杯や、9月にはルヴァン杯もあり、当然また競争はあるが、そこでやれるものがあるのではという話はした。

 もう一つ、この3人には近い将来、コンサドーレを背負っていってほしいと考えている。このつらい時期を一緒に経験することが、彼らにとっていいと思ったし、数年後のこのクラブにとっても、今の宮沢や荒野、深井のように、いい時も悪い時も知っているから、今が大切なんだと表現できる選手に3人にはなってほしいという思いがあった。そういう話を彼らも重々分かってくれた。それを聞くまでは、選手だからオファーがあったら出たいというのが8割、もしくは10割だったけど、いったんは五分五分の悩みにはなった。ただ最終的には、自分たちが現時点でチームの競争に本当の意味で加われているとは思えないから、より出場機会が多いであろうオファー先のチームに行って、来季、いい形でまた競争に加わりたいという結論になった。

 3人に加えて、中島大嘉(現J2水戸)も含めた現在期限付き移籍している4人は、来季、間違いなくうちに帰ってくる。出ると決めた以上、クラブと本人たちの間で共有している課題を克服して、しっかりと成長して戻ってきてほしい。(株式会社コンサドーレ代表取締役GM 三上大勝)

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