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浅野翔吾にトイレの神様がほほ笑んだ⁉初2番でV弾&球団坂本以来の10代4安打

スポーツ報知 2024年8月25日 5時0分

◆JERA セ・リーグ 巨人6―2中日(24日・東京ドーム)

 巨人は、プロ初の2番に抜てきされた浅野翔吾外野手(19)が初回に決勝の2号ソロを放ち中日に快勝した。8月に再昇格後、絶好調の19歳は、5回に二塁打、6回には中前適時打でプロ初の猛打賞をマークすると、三塁打が出ればサイクル安打の8回には左翼線へ二塁打。球団では08年の坂本勇人以来となる10代での4安打をマークした。投げては井上が7回途中2失点で7勝目。首位・広島と2差をキープした。カード勝ち越しをかけ、25日は菅野が先発する。

 勝利へ導く豪快な一撃が放物線となった。大仕事をやってのけた浅野は大歓声を一身に浴びてダイヤモンドを駆けた。初回1死。2―1から柳が投じた内角低めの134キロカットボールを捉え、左中間席に運んだ。「変化球をきれいに打つことができたと思います」。7試合ぶりの今季2号で、プロ初の2番起用に一発回答。先制アーチはチームの連敗を2で止める決勝弾になった。

 “2番・浅野”の独壇場だった。「打順が変わっても自分の仕事は変わらない。8番の時と同じ気持ちでいきました」。1点リードの5回先頭では左中間二塁打。吉川の適時打へとつなげ、追加点をもぎ取った。3点リードの6回1死一、二塁で藤嶋から中前適時打でプロ初の猛打賞をマーク。三塁打が出ればサイクル安打達成となる8回1死一塁では惜しくも左翼線への二塁打。それでも10代での1試合4安打は球団では08年4月24日横浜戦の坂本以来の快挙だった。

 2番に抜てきした阿部監督はしたり顔だった。「(1番の)丸が出ても攻撃的にいこうと決めているんで。だったら、今一番乗っている浅野を、と思って置いた」と説明。決勝弾に「本当にね、勢いづくホームランでしたね」と目を細めた。

 約4か月の2軍生活を生かした。「つなげる選手や2番バッターになりたい」と明かしていた浅野は、橋本2軍打撃コーチから「全部ヒットにはならない。アウトには絶対なる。だからどういうアウトになるか意識しよう」と助言を受けた。状況に応じた打撃を意識し、漠然と打ちにいきがちだった内容が変化。配球を読む力や対応力が向上した。

 徳を積む男に神様がほほえむ。5回に2安打目を放ち、ベンチに戻った後のこと。トイレでトイレットペーパーのゴミを拾った。高松商では学校周辺の掃除をしてから試合に向かうのがルーチンで、ゴミ拾いは原点であり、当たり前の行動。「そういったところで運もついてくる」。同校の長尾健司監督に日常から意識高く過ごすことの重要性を学び、プレー以前の人としての立ち居振る舞いも大切にしてきた。その姿勢は不変で「拾ったから打てたかな」と照れ笑いした。

 自己最長を更新する5試合連続安打で、直近3試合はいずれも複数安打と絶好調。1軍再昇格後は2本塁打で打率4割3分8厘、9打点だ。打席に立てば何かが起こる。そんな予感が漂う選手になってきた。「レギュラーとして使ってもらっているわけではないのでアピールすることを考えて、アピールしていったらチームの勝利につながる」。止まるつもりはない。期待の19歳が特大の輝きを放っている。(宮内 孝太)

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