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阿部慎之助監督が岡慎之助からの金言で執念の勝利…野球と体操、競技の垣根を越えて共通する部分を再確認

スポーツ報知 2024年8月26日 5時25分

◆JERA セ・リーグ 巨人2―0中日(25日・東京ドーム)

 勝利への執念と金メダルパワーの融合で価値ある1勝をつかんだ。2―0で接戦を制した阿部慎之助監督(45)は「智之もそうですし相手の大野君も。本当に投手戦という感じだった。ウチもずっとヒットゼロに抑えられて、大野君も良かったので」と振り返った。打線が中日の先発・大野の前に6回まで無安打。それでも菅野が粘り、7回に坂本が値千金の決勝2ランを放って2安打で勝った。

 パリ五輪の体操男子団体総合で金メダルに輝いた岡慎之助(20)と杉野正尭(たかあき、25)が始球式を務めるため来場した。岡は名前の由来が阿部監督。指揮官は試合前にグラウンドで初対面して祝福した。「僕は2大会(00年シドニー、08年北京)出させてもらいましたけど4位だったので」。金メダルを持たせてもらい「おー、重っ」と快挙の重みをかみしめた。

 体操と野球。競技の垣根を越えて共感する部分があった。「団体戦で中国の選手がミスした時、どうでした?」と質問すると、杉野が「これはあるぞっていう感じでした」と回答。その言葉に何度もうなずき「野球でもミスをすると流れが変わりやすいんですよ。盗塁死とかゲッツーとか」と返した。紙一重の戦いで、できることを確実にやる。その大切さを再確認した。

 6回には先頭の小林がファウルで10球粘って四球で出塁。続く菅野は送りバントを決めて何度も手をたたいた。勝ちたい。その気迫が前面に出ていた。攻守で隙がなく投手陣も無失点リレー。「とにかくいい試合をしてカープにしがみついていきたい」。強い気持ちが相手を上回った。

 試合後、阿部監督は岡と杉野と交わした会話の詳細を明かして表情を緩めた。「どうやって(着地の時)止まっているのか、きついのか聞いたら独特の表現をされていた。『関節を筋肉で固めてはめます』って。僕には全く分からない感覚でした」。残り28試合。超一流の思考に刺激を受けてラストスパートへ弾みをつけた。(片岡 優帆)

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