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「はいー」に隠されたやす子の生き様再確認…芸能記者の取材ノート

スポーツ報知 2024年8月26日 11時30分

 今月上旬、フワちゃんがSNS上で、やす子を誹謗(ひぼう)中傷とも解釈できるポストを投稿した。その影響は、テレビやラジオなど多方面に波及した。何が良くて何が悪いのかはさておき、やす子の生きざまを再認識した瞬間でもあった。

 フワちゃんの最初の投稿後、やす子は「とっても悲しい」とつぶやいたが、2日後には「おはようございます。今日もピカピカ笑顔で」と記した。さらに、2日後には「明るい言葉を発すると楽しくなるよ」と過去に投稿した自身の言葉をリポストした。

 その当日、やす子は悲しみ、怒り、苦しみで眠れなかっただろう。それでも、翌日の仕事現場では、何事もなかったように笑顔を見せていたと聞く。

 今年3月にインタビューで明かしてくれた「生きざま」の通りだった。学生時代に仲間外れの友人を助け、自分が仲間外れにされた。自衛隊時代は毎日20キロ以上走り、厳しいルールを強いられた。コロナ禍ではアルバイトを15回クビになり、300万円の借金を抱えたこともある。それでも苦境に直面する度に「はいー」と言った。断れずに、断らずに笑顔で乗り越えてきた。

 やす子は言った。「矛盾していることは無視できずに、指摘するタイプかもしれないですー。いろいろな人に助けてもらった喜びや、見捨てられる悲しさを分かっているから、断れないのかもしれないですー」。その後に「何をいってもきれいごとに聞こえるかもしれないですけど」とぼかしたが、真剣な目だった。

 ヘラヘラ笑っているのではない。抱える思いや、言いたいことはある。けれど、他人に迷惑をかけずに動き続け、それでもあふれ出た感情を少しだけ吐き出し、その後は「明るい言葉を発すると楽しくなる」と笑顔を浮かべ続けた。その姿は、本当に格好良かった。

 今週末には、日本テレビ系「24時間テレビ 47」が始まる。チャリティーマラソンに挑むにあたって「児童養護施設にお世話になっていた」と自身の境遇も公表した。いろいろな意見や声に、猛暑も重なる。それでも、彼女は走り、笑い続けるだろう。それが「はいー」の生きざまだから。(田中 雄己)

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