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ラグビー ジョーンズHC、敵地でカナダを下して第2次政権初白星「歴史を変える勝利となった自負」

スポーツ報知 2024年8月26日 9時48分

◆ラグビー ▽アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2024 日本55―28カナダ(25日、バンクーバー)

 9年ぶりにラグビー日本代表を率いるエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が、テストマッチ4試合目で待望の初白星を挙げた。PNCの1次リーグB組初戦で、世界ランク21位のカナダに55―28で勝利。「この試合に臨むにあたり、カナダとカナダで対戦した場合と、日本で対戦した場合の勝率の違いについて話し、40%の差があった。バンクーバーでの勝利に関して、歴史を変える勝利となったと自負している」と、敵地での1勝にうなずいた。

 世界ランク14位の日本は序盤から、テーマに掲げる「超速ラグビー」で猛攻をしかけた。前半4分、この日初キャップのWTBツイタマ(静岡)が、SO李承信(神戸)からボールを受け走り抜けてトライ。14―0の同22分は、FB矢崎由高(早大2年)のゲインにサポートに走ったフランカー下川甲嗣(東京SG)が追加点を挙げた。30分までに一挙5トライで、一時は38―0とリード。BK立川理道主将(東京ベイ)も「前半は1人1人の役割が明確だったし、相手のフィジカルに対してもスキルで前に出ることが出来た」と、一定の手応えを口にした。

 一方で、前半の終盤から後半にかけては、敵陣でのミスやペナルティーも多発。後半はカナダと3トライずつを奪い合った。ジョーンズHCは「前半は集団的なスピードを持ってうまくプレーができていた」と回顧。ただ疲労もたまる後半にかけては、選手間のコミュニケーションを課題として挙げ「ランラインなどもパスごとに精査をしないといけない。後半は右肩下がりになった印象がある。80分間やり続けることが目標だが、しばらくは難しい部分も出てきてしまうかもしれない。選手ごとの連携も深めないといけない」と指摘した。

 早大2年の矢崎が強化試合を含めて6戦連続で先発するなど、若手中心のスコッドで臨み日本ラグビーの底上げをはかるジョーンズHC。この日、世界ランクでは下のカナダに思わぬ苦戦も強いられたが、大リーグで活躍するドジャースの大谷翔平投手(30)を引き合いに「若手の頃は何でも打ちたいと思っていたと思う。だが大谷が偉大な選手になったのは、何を打ちにいくのか、何を逃すのかを明確な判断ができるようになったからだと思っている。今、大谷は30歳。経験が豊富だが、我々はまだ発展途上。必ず、経験はついてきます」と語った。

 日本は9月7日に1次リーグ次戦のアメリカ戦(熊谷ラグビー場)を控え、準決勝進出を目指す。6か国が参加するPNCは、サモア(13位)やフィジー(10位)も参加。目標に掲げる優勝への大きな壁となる。「全てが学びのプロセス。今後は我々がいかにいい指導ができるか、選手がいかに学ぶ事ができるかがカギになる。いい選手は残り続けるし、満たない選手は脱落する」と、ジョーンズHCは表情を引き締めた。

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