歌手で俳優の杉良太郎（８０）が厚生労働省の特別健康対策監に決まり２６日、同省で武見敬三厚労相（７２）から委嘱状を授与された。
杉は２０１２年に肝炎対策国民運動特別参与、２０年に健康行政特別参与に就任。肝炎対策に加え、梅毒などの性感染症や、がんの予防といった健康行政全般の課題において、積極的な啓発活動に取り組んできた。
デビュー前の１５歳の時から、刑務所慰問や福祉施設への慰問・寄付を行うなど、福祉活動に従事。健康行政への多大な功績から、任期をもうけない特別健康対策監に就任することになった。
杉は「健康に気を付けて。やるからには、一生懸命に何でもやらなければと思います」と神妙な表情。武見厚労相からは「お若い時から一貫して（福祉活動に）貢献されておられる。ずっとやっていただこうと。杉さん専用のポストを作ろうと思います」と激励された。
法務省特別矯正監、警察庁特別防犯対策監に加え、委嘱期間を定めない役職は３つ目。「がんじがらめになっちゃったな」と恐縮しつつも、「日本は高齢化が進んでいる国という印象が強くて、いい印象を与えていなかったけど、“元気で長生きの国なんだよ！”とアピールしていきたい。健康を海外にも輸出して、日本の役に立てたらと思います」と力強く語った。
１４日に傘寿を迎えたばかり。「７０歳の時とは違うね。周りから『見た目だと、そんなに歳（とし）をとっているとは思えない』と言われるけど、中身は老化していると思う」。冷静に自分自身と向き合い、「気弱にならないように」と、週２回のジム通いを始めた。
「１つの省の仕事で週に最低２、３日あるので、１週間のスケジュールが埋まってしまう。海外も、となると、オーバーワークになりますけど、自分の健康をしっかりと管理したい。元気な間は一生懸命やっていきます」と誓っていた。（加茂 伸太郎）