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「幕内でも応援してもらえる白熊に」珍しいしこ名の25歳が新入幕 後輩で弟弟子・大の里との優勝決定戦の夢へ

スポーツ報知 2024年8月27日 6時0分

 日本相撲協会は26日、大相撲秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。珍しいしこ名で一世風靡(ふうび)した白熊(25)=二所ノ関=が新入幕。茨城・阿見町で会見し、目標にしこ名と同じくファンに愛される力士、大関取りを狙う弟弟子の関脇・大の里(24)との同部屋での優勝決定戦を掲げた。

 横長の細い目をさらに細め、新入幕を喜んだ。白熊は「素直にうれしい。親方を信じてやってきたことが一番」。同席した師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)に感謝した。弟弟子の大の里は新潟・能生(のう)中、海洋高、日体大の1学年後輩。「大の里に一日でも早く近づきたい。いずれは優勝決定戦をしたい」と夢を語った。

 しこ名は昨年の九州場所後に二所ノ関親方から提案を受けた。同親方が「優しくて力強い」性格と風貌(ふうぼう)から命名。右四つが得意で「北海の白熊」と呼ばれた元大関・北天佑(故人)に近づくという意味も込められた。十両時代から大きな声援を受け、ちびっ子にも人気。「幕内でも応援してもらえる白熊になりたい」と意気込んだ。

 相撲は幼稚園年中で「出羽竜道場」(福島・郡山市)で始めた。土俵はちゃんこ屋の「相撲茶屋 出羽竜」内に併設。お客さんが食事をする前で、元力士から指導を受けることもあり、「そこで度胸がついたのかも」。現在は閉店し「僕が最後の“タレント”」。物おじしない前に出る相撲で故郷・福島に恩返しする。

 昨年名古屋場所後に大の里とともに新十両昇進。大の里が順調に出世する一方で、白熊は春と夏場所に負け越した。「このままじゃダメ」と奮起し、先場所12勝3敗で十両V。二所ノ関親方は「器用な方ではないので大の里と優勝決定戦するには10倍くらい稽古しないと」と尻をたたいた。大の里に続く新入幕での2ケタ勝利、三賞獲得には「狙いすぎると緊張してしまう。挑戦者の気持ちで思い切りぶつかっていく」と白熊。心優しき愛されキャラは幕内の土俵で牙をむく。(山田 豊)

 ◆白熊 優太(しろくま・ゆうた)本名・高橋優太。1999年5月25日、福島・須賀川市生まれ。25歳。日体大卒業後、二所ノ関部屋入門。初土俵は22年夏場所。昨年秋場所で新十両。得意は右四つ、寄り。趣味は料理。普段は丸形の眼鏡を愛用し、土俵では裸眼。理由はにらまれると怖くて直視できないから。通算成績は90勝47敗2休。186センチ、166キロ。家族は両親と兄と妹。血液型O。

 ◆珍しこ名

 ▽翔大夢(しょうたいむ、錣山、三段目77枚目) 元横綱・白鵬の下の名の「翔」と元横綱・大鵬の「大」に夢を追うという意味。大谷翔平は関連性なし。

 ▽育盛(そだちざかり、式秀・14年引退、序ノ口24枚目)「体が細いので大きくなってほしい」との願いから。

 ▽宇瑠虎(うるとら、式秀、序二段38枚目)永遠のヒーロー・ウルトラマンにあやかる。

 ▽右肩上り(みぎかたあがり、大嶽・23年引退、幕下29枚目)「世の中の景気が悪くて暗く、携わる人みんなが幸せに明るくなるように」という願いから。

 ▽大当利(おおあたり、式秀、序二段14枚目)「しっかり当たれる力士に。本名が櫛引だから『くじを引いて大吉を引けるように』」という意味。

 ▽朝阪神(あさはんしん、高砂、三段目24枚目)。大の阪神ファン。名前は虎吉。※番付は最高位。

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