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「おもろいで」巨人・山崎伊織、9勝目呼んだラジオ番組 運転中のリラックスタイムに 後半戦火曜初勝利

スポーツ報知 2024年8月28日 5時0分

◆JERA セ・リーグ ヤクルト2―5巨人(27日・神宮)

 打球が三塁手のグラブに収まるのを確認すると、山崎伊織は堂々とベンチへ歩いた。3点の援護をもらった初回2死一、二塁。オスナをフォークで三飛に打ち取り、息を吐いた。8安打を許しながら、5回2失点の粘投で9勝目。「この数試合、本当に粘れなかったので、もう一回、気持ちを入れて粘って頑張ろうと思いました」。チームとして7月16日の阪神戦以来、後半戦初となる火曜日の勝利を呼び込み、自身2年連続の2ケタ勝利にリーチをかけた。

 気持ちで抑えた。最速150キロの直球にシュート、フォークなど多彩な変化球を駆使して5K。「入りからしっかりしていこう」と初回から飛ばした。2回以外は走者を背負ったが粘った。5―0の5回1死一、二塁で村上に中前適時打を献上し、さらに2死一、三塁から沢井の適時内野安打で2失点。6回の攻撃で代打を送られて降板となったが、懸命にゲームをつくり「野手の方が初回から点を取ってくださって粘っていけた。勝ちがついたのはうれしい」と、かみしめた。

 不安と闘っていた。登板前日。取材にいつも和やかな雰囲気で応じる右腕が、26日は笑顔を封印し、鋭いまなざしで口を開いた。「僕が球宴明けで3敗しているので、なんとか粘って勝ちたい」。前回20日の広島戦では今季最多7失点で同最短4回KO。後半戦は1勝3敗と苦しい状態が続いており責任を感じていた。試合後には「苦しかったですね…」と本音をこぼした。悔しさが少しだけ晴れた。

 プレッシャーを背負ってシーズンを戦う中、安らぐ時間がある。「車ではいつも霜降り明星のオールナイトニッポンを聞いてる。おもろいで」と運転中にお笑いを聞くのが気分転換。「霜降りが出ているのは結構、見てるで~」と、つかの間の癒やしの時間を楽しんでいる。

 ヒーローインタビューが終わると「みんなが待ってくれてる!」とブルペン前で待っていた救援陣の元へ猛ダッシュ。笑顔でハイタッチした右腕は「この後も全部負けられないので、全力で頑張りたい」と気持ちを入れ直した。仲間たちと助け合いながら、歓喜の瞬間をつかみ取る。(水上 智恵)

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