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巨人・浅野の「純粋さ」と「学習能力の高さ」が打たせた先制2ラン 高木豊氏がひもとく値千金の一撃

スポーツ報知 2024年8月29日 5時5分

◆JERA セ・リーグ ヤクルト2―3巨人(28日・神宮)

 浅野を見ていると、若さっていいな…と思う。先制2ランの打席も、初回の第1打席もフルスイング。あれこそが若い選手の特権だ。思い切りの良さがあるから、阿部監督も使うんだろう。

 満塁のピンチをしのいだ直後の、価値ある一発だった。サイスニードのスプリットを捉えたが、追い込まれてからの対応が申し分なかった。カウント1ボール2ストライクからの4球目は、外のスライダー。出しかけたバットをギリギリで止め、次の球を仕留めた。初回には外に逃げる球で空振り三振。同じ失敗をしないという学習能力の高さが表れた。

 初球からガンガン振っていける理由のひとつには、謙虚さがある。相手投手がまだ実力的には上だと認め、変な駆け引きなどせず、全力で、体当たりでぶつかっていこうという姿勢が見える。その純粋さが打たせた本塁打と言ってもいいんじゃないかな。

 しかし、打球がよく飛ぶね。いわゆる豆タンク体形で、相当に体幹が強いんだろう。今は2番で野球をしっかり勉強しているところだが、本来は1番か3番タイプ。その地位を早く確立して、リーダーになっていってほしい。野球ファンなら誰もが結果を追いたくなる、スター性十分の19歳だ。(スポーツ報知評論家・高木 豊)

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