大相撲秋場所（９月８日初日、東京・両国国技館）前の横綱審議委員会による稽古総見が２９日、国技館内の相撲教習所で行われた。大関・琴桜（佐渡ケ嶽）は大関・豊昇龍（立浪）と小結・平戸海（境川）を相手に１４番連続で取って９勝５敗だった。
夏巡業で腰痛を発症し、久々の本格的な稽古だったが「思った以上にしっかり取れた」と手応えがあった様子。言葉通り豊昇龍にはもろ差しからの寄り切り、平戸海には右四つ、左上手からの寄りを見せるなど、まずまずの動きを見せた。「最初なので、探りながらの部分はあった」としながらも、「できる限りと行こうと思っていた。久しぶりにしては、やろうと思っていたことができた。感触としては良かったと思う」と、うなずいた。
大関４場所目。秋場所では初優勝の期待もかかる。「持っているものをしっかり出しきれるように体を作って、いろいろな面で１つずつレベルアップを図りながらできたらいい。優勝を目指してやっていくのが当たり前。気持ちを作って準備していくのが大事。考えすぎても仕方ない。自分らしくやれることをやっていく」と気合を入れた。
見守った八角理事長（元横綱・北勝海）は「もう少し迫力があっていい。体を生かして、もっと前に出ることが安定感につながる」と注文をつける場面も。一方でこの日、総見を欠席した横綱・照ノ富士（伊勢ケ浜）の調子が上がらないだけに、両大関には奮起が求められる。理事長は「場所を引っ張る気持ちでやってほしい」とゲキを飛ばした。