Infoseek 楽天

東京五輪ボクシングミドル級代表の28歳・森脇唯人がプロ転向 夢は世界的大スター「カネロともやってみたい」

スポーツ報知 2024年8月31日 2時0分

 2021年東京五輪のボクシング男子ミドル級代表、森脇唯人(28)がプロ転向を決意したことが30日、分かった。ミドル級の五輪代表では、12年ロンドン大会金メダリストでプロの世界でも頂点に輝いた村田諒太氏(38)以来の挑戦。森脇は、村田氏を超える重い階級のスーパーミドル級で日本人初の世界王者を目指す。米国を主戦場に年末から来年初頭のデビューを予定している。

 早ければ年末のプロデビューに向けて準備を積む森脇はスポーツ報知の取材に応じた。3月に自衛隊を除隊し、元IBF王者・カレブ・プラント(32)=米国=とのスパーリングも経験したと明かし「世界で一番強い男になる。世界王者になることしか考えていない」と決意を語った。

 東京五輪は2回戦で、後にパリ五輪男子80キロ級金メダリストとなったオレクサンドル・ヒズニャク(ウクライナ)に判定負け。パリ五輪に向けてはミドル級の五輪実施がなくなったため、22年にライトヘビー級(81キロ以下)に階級を上げた。しかし、予選を兼ねた昨年の全日本選手権決勝で敗れてプロ転向を決意した。

 「もちろん悔しいけれど、思ったよりもすっきりしていました」。すぐに切り替え、プロのスーパーミドル級(76・2キロ以下)で世界王者を目指すことを決めた。「ぼくがバンタム級だったら、日本を出る必要はない。でも、この大きな体で戦う以上、マーケットがある米国でやるしかない」と6月後半に渡米。約2か月滞在し、スパーリングでは元IBF王者のプラントから「(身長)190センチ近いのにスピードがあるし、体の使い方もいい」と評価された。「元王者とも結構戦えたのは自信になりました」と話す。

 「2年後には世界戦ができるレベルにもっていきたい。カネロともやってみたい」と、同階級の世界的大スターで世界3団体統一王者・サウル・アルバレス(メキシコ)への挑戦を夢見る。年末から来年1、2月での米国デビューを目指し、現在は法大の先輩である斉田竜也会長が経営するワールドスポーツジムで練習。11月には再渡米する予定だ。

 ◆森脇唯人に聞く

 ―スーパーミドル級で戦う理由は。

 「日本人が世界王者になったことがない階級。やりがいであり、魅力でもある」

 ―小さい頃、あこがれていた格闘家は。

 「(キックの)アリスター・オーフレイム(オランダ)。K―1とか見に行ってました」

 ―今、あこがれるボクサーは。

 「僕には僕のスタイルがあるので特にいない」

 ―カネロ以外で戦いたい選手は。

 「同い年の(WBC世界ライトヘビー級暫定王者の)ベナビデス(米国)や(元WBO世界スーパーウエルター級王者の)ムンギア(メキシコ)」

 ―東京・足立区出身に同学年のWBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)がいる。

 「『足立区から来た武居です』があいさつの定番。僕は『(足立区)江北から来た森脇』で行こうかな(笑い)」

 ―将来、日本で世界戦。

 「応援してくださる方に見せたいので世界王者になって、ぜひやりたい」

 ◆森脇 唯人(もりわき・ゆいと)1996年8月8日、東京・足立区生まれ。28歳。トレジャーハウス所属。小学5年から極真空手を始める。駿台学園高の定時制でボクシングを始め、3年時のインターハイ(ミドル級)で3位。法大―自衛隊。2017年から全日本選手権ミドル級で4連覇、22年にライトヘビー級で優勝と大会5連覇を達成した。21年に東京五輪に男子ミドル級で出場。188センチの右ボクサーファイター。リーチは190センチ。家族は両親と昨年度の日大ボクシング部主将を務めた弟・海人(みと)さん。

この記事の関連ニュース