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13歳の須藤弥勒はグリーン上で苦しみ、78で107位 夕闇迫る中、最後までパット練習

スポーツ報知 2024年8月30日 19時45分

◆女子プロゴルフツアー ゴルフ5レディス 第1日(30日、岐阜・ゴルフ5CみずなみC=6559ヤード、パー72)

 史上初めてジュニアメジャー4冠を達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(13)=ゴルフ5/太陽自動車=がツアー2戦目に出場し、1バーディー、5ボギー、1ダブルボギーの6オーバー、78。出場108人中107位だった。

 村田歩香(ニトリ)、ささきしょうこ(日本触媒)、台湾のウー・チャイェン(フリー)が5アンダー、67で首位に立った。

 所属するゴルフ5のカラーの緑色のシャツに、好きなピンク色の靴下。派手なウェアで登場した弥勒は、派手なスタートを切った。1番パー4(391ヤード)で残り約170ヤードから7ウッドで放った第2打をピン右3メートル半に寄せて、バーディー発進。アウト、インと合わせて5組目の早い時間だったため、その瞬間、首位に立った。

 しかし、その後、試練が待っていた。得意のグリーン上で大苦戦。3パットが4回で計36パットを要した。「ショットは良かったですけど、パットが入りませんでした」と弥勒は悔しそうに話した。

 3年前から、プロパッティングツアーに参戦し、腕を磨いてきた。同ツアーで通算3勝を挙げた。まだ、13歳で飛距離では劣る弥勒にとって、パットが最大の武器だったが、そのパットが不調では歴戦の女子プロたちと戦うことは厳しかった。

 ホールアウト後、テレビインタビューなど取材や、応援に来てくれたファンへ感謝のサインを行った後、キャディーを務める母・みゆきさんと一緒に練習グリーンへ。「パットを直して、明日(31日)、絶対に頑張ります」と話し、表情を引き締めて、ショートパットを中心に練習を繰り返した。

 兄弟とともに群馬県内の自宅に残り、弥勒を応援している父・憲一さんは「昨日(29日)、妻が『もう少しパットの練習をした方がいいんじゃない』と言ったら、弥勒は『もう、大丈夫』と答えたそうです。慢心があったのかもしれません。この悔しさを晴らすには練習しかないんです」と静かに話した。

 天才は一日にしてならず。夕闇が迫り、他の選手が誰もいなくなるまで、弥勒は1時間以上も、ひたすらボールを転がし続けていた。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。13歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。22年8月に横峯良郎氏に弟子入り。22年1月からアマチュアも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで、ダブル所属契約のゴルフ5と太陽自動車をはじめ計16社に推定総額3億6000万円以上の支援を受けている。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。150センチ、50キロ。

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