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16歳・久保凛が日本勢過去最高タイ6位入賞…指導者が明かす強みは小学生時代のサッカーに源「動的視野が広い」

スポーツ報知 2024年9月1日 5時30分

 男女800メートル決勝が行われ、女子は日本記録保持者の久保凛(16)=東大阪大敬愛高2年=が2分3秒31をマークして日本勢過去最高タイの6位入賞を果たした。積極的なレースで27日の予選、29日の準決勝を全体トップ通過。自身初の世界大会で同種目日本勢3人目となる決勝に進出し、歴史に肩を並べた。

 16歳にとって、かけがえのない経験となった。初の世界大会出場で、この種目日本勢3人目の決勝の舞台に立った久保は序盤、5番手でレースを展開。粘り強く食らいついたが、ラスト約200メートルから徐々に離されて6位。目標の「自己ベストと優勝」には届かなかったが、日本勢過去最高タイの好成績だ。6月の日本選手権を初制覇するなど高校2年にして国内トップレベル。初めてワールドクラスの駆け引きを体感したことは、今後の成長をさらに加速させるに違いない。

 1年生で全国高校総体を制し、今年7月には1分59秒93の日本新記録をマーク。指導する野口雅嗣監督(55)は「動的視野が広い」と分析する。レーンが分かれず、場所取りが重要な800メートル。久保は小学校6年間、広い視野が求められるサッカーをしていた。レース中の位置取りは「サッカーでボールを奪う時に選手の間に入ること」に似ているといい、さまざまなレースパターンに柔軟に対応できる。「陸上だけをしてきた選手にはできない。ニュータイプ」と野口氏。視野の広さは、いとこでサッカー日本代表の久保建英(23)と似ている。

 来年の世界選手権(東京)、28年ロサンゼルス五輪などシニアの世界大会出場を視野に入れている。今夏のパリ五輪では女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花(JAL)に刺激を受け「自分もいつか金メダルを取れるような選手になりたいと強く思いました」と目を輝かせていた。世界の頂点を目指す16歳は、一層の鍛練を積んでいく。(手島 莉子)

 ◆久保 凛(くぼ・りん)2008年1月20日、和歌山・串本町生まれ。16歳。小学1年から6年まではサッカー選手。潮岬中入学時から本格的に陸上を始めた。東大阪大敬愛高に進み、高1にして全国高校総体800メートル優勝。初の国際舞台となった日・韓・中ジュニア交流競技会でも優勝。今年6月の日本選手権で初優勝し、7月は奈良の競技会で1分59秒93の日本新記録をマーク。サッカーで国体出場経験のある父・建二郎さんは、サッカー日本代表MF久保建英(Rソシエダード)の叔父。

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