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「神の左」山中慎介氏は井上尚弥のKO確信…前回は“悪童”に人生初ダウンも「同じ間違いを繰り返すとは思えない」

スポーツ報知 2024年9月1日 5時45分

◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 統一王者・井上尚弥―WBO同級2位TJ・ドヘニー(9月3日、東京・有明アリーナ)

 世界4団体スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥が31日、3日のTJ・ドヘニー戦(有明アリーナ)に向け、横浜市内で公式会見を行った。37歳の挑戦者を警戒しながらも、世界戦23連勝に自信を示した。会見にはプロモートする大橋ジムの大橋秀行会長(59)、トップランク社のボブ・アラムCEO(92)も同席し、来年、米国ラスベガスで試合を行う可能性を示唆。“聖地”MGMグランド・ガーデン・アリーナやT―モバイル・アリーナでメインを務めるビッグプランが浮上した。

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 両者を比較するとスピードでは尚弥が圧倒している。ドヘニーの長所を挙げるとすれば経験からくる老かいなテクニックだ。特に左フックはタイミング、角度が通常の選手とは明らかに異なる。一発のパンチのパワーでも尚弥が過去に対戦した選手の中では一番だろう。

 さらに要注意なのがドヘニーのウェートだ。試合当日は前日計量から10~12キロ増量して試合に臨んでいる。個人差はあるがスーパーバンタム級の選手ならば5~7キロ程度の増量が普通だろう。ドヘニーはその倍ほど増量し、5階級上のウエルター級(66・6キロ以下)程度に体を大きくできるのだから驚くばかりだ。厳しい減量に耐えられる強い肉体を持ち合わせている証拠で、これだけ重く仕上げればパンチも必然的に強くなる。

 とはいえ、総合力で圧倒する尚弥に負ける要素は見当たらない。前回のネリ戦で初回に人生初のダウンを喫した経験から、試合の入りは慎重になるだろう。一番気をつけなければいけないことは、序盤で不用意なパンチをもらうことだが、尚弥が同じ間違いを繰り返すとは思えない。正直、今のスーパーバンタム級で尚弥と互角に勝負できる相手は見当たらない。それだけ突出している存在だ。油断なく戦えば5ラウンドぐらいにKOシーンが訪れると思う。(元WBC世界バンタム級王者・山中 慎介)

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