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やす子、24時間テレビマラソン完走 「マラソン募金」だけで昨年放送終了時2億2000万円から倍増の4億円超に

スポーツ報知 2024年9月2日 5時0分

 毎夏恒例の日本テレビ系チャリティー番組「24時間テレビ47」が1日、東京・両国国技館で放送を終えた。全国の児童養護施設のために全額が使われる、史上初の「目的別募金」のチャリティーマラソンに挑戦したタレント・やす子(25)は、前日のトラック周回からこの日早朝にスタジアムを出発。81キロの道のりを走り抜き、午後8時41分に完走した。「マラソン児童養護施設募金」だけで総額4億3801万4800円に上り、昨年の放送終了時点の募金額を大きく上回った。

 降りしきる雨の中、前だけを見ていたやす子の顔が、国技館に入った瞬間に涙でゆがんだ。左手で涙をぬぐい、ゴールテープを切ると「走れてよかったなあ…」としみじみ語った。

 81キロの道のりは波乱の連続だった。31日は台風10号の影響で市民ランナー1000人の参加が中止となり、会場の日産スタジアムの400メートルトラックを周回する形で75周を積み重ねた。一夜明けたこの日午前6時半ごろ、スタジアムを出て公道へ。50キロ過ぎ、雨と悪路で左足をひねり、足首の痛みと闘いながらのランとなった。完走後に生出演した「行列のできる相談所」(日曜・後9時)で道中を振り返り「足をくじいたときは、本当にもうできないかと思いました」とリタイアもよぎったという。

 それでもやす子を駆り立てたのは、思いの強さだ。「高校時代に児童養護施設にお世話になっていた」と生い立ちを公表し、全額が児童養護施設のために使われるマラソン。開始直後の募金額は4635万円だったが、思いに心打たれた視聴者からの募金が集まり、この日午前時点で早々に昨年の放送終了時点の発表額(2億2223万8290円)を突破。最終的には4億3801万4800円にも到達し、昨年の総額8億4805万9341円の半分以上を1人で集めた形だ。

 本番までには予期せぬ苦難もあった。8月初旬、YouTuber・フワちゃんのSNS不適切投稿の騒動に巻き込まれ、渦中の人に。やす子は謝罪を受け入れ、前向きな心で練習に集中した。関係者の話では「私も自分のことを大切にするので、フワちゃんさんも自分を大切にしてほしい」とむしろ案じていたという。やす子は「行列―」でも、サポートしてくれたスタッフや沿道からの声に励まされたと明かし「人を元気にする言葉って本当にパワーになるんだなって伝えていきたい」と思いを込めた。

 マラソン募金は年末から来年4月にかけて全国の610か所の児童養護施設に届けられる。やす子は「アンケートで自転車や図書券がほしいという声があったので届けたい」とゴールのその先にある子どもたちの未来を見据えた。

 災害復興や福祉などに使われる従来の一般募金については、対面募金などの集計を行い10月に発表される。

 〇…やす子は、かねて「35歳までに子ども食堂を開く」という夢を公言。今回、その未来に近づくために昨年のチャリティーランナー・ヒロミ(59)に依頼し、神奈川・横須賀市の築60年の子ども食堂を大改造した。リフォーム経験豊富なヒロミの手により、温かみあふれる空間に生まれ変わり、やす子も「ヒロミさんのやさしさ、すごさを実感しました」と感謝。今回のマラソンで、やす子のスターターを務めたヒロミも「やす子に頼まれたら断れないよ」と笑みを見せた。

 〇…同番組に欠かせない名曲「サライ」の生みの親で、昨年10月に死去した谷村新司さん(享年74)をしのび「アリス」の堀内孝雄(74)、「海援隊」の武田鉄矢(75)が歌声を披露した。「サライ」でタッグを組んだ加山雄三(87)は、VTRに電話出演し「彼は永遠に親友」とメッセージ。ステージでは生前の谷村さんの映像とともに「チャンピオン」と「サライ」を披露し、堀内は「みんな、ありがとう、拍手! チンペイ!」と谷村さんの愛称で天国に呼びかけた。

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